D.gray-man | ナノ


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自分と違い虚ろなままのリナリーに寄ってヨリは揺さぶった。









「リナ…リナリー…!!」

「落ちついて、ヨリ」

「え…?」

「外傷は無いので恐らく音波系のアクマに神経が麻痺しているんだと思います。
君は大丈夫ですか?」

「あたしは何でも無い…リナが…!」

「大丈夫、この中にいれば…」

「!」









リナリーの身体から時計盤がいくつも現れ、リナリーの瞳に光が戻る。









「リナ…リナ…!」

「ヨリ……?あれ、アレン君、ミランダ…?」

「リナリー!」

「リナリーちゃん!」









意識が戻ったリナリーは握っていた両手を離すとティムキャンピーとゼロが出てきた。









「ゼロ…」

「ティムキャンピー、いたのか!」









それぞれの飼い主に擦り寄る二匹のゴーレムを見ながら、リナリーは口を開いた。









「夢を見たわ。…でももう覚えていないの」

「夢も吸い取られたんでしょうか」

「吸い取られた…?」

「まだ気がついてないんですか?

僕達はミランダさんのイノセンスに助けられたんですよ」

「…だから、傷が治ったのか」









しかしヨリは疑問を覚えた。


本来、街の奇怪現象を止める為に来た自分達。


この傷が治った現象が街の奇怪現象と同じようなものだとすれば、発動が解けた時ーーー。





考える事を辞め、ヨリはミランダを見つめた。









「え、わ、私の…?」

「貴女が発動したイノセンスが、攻撃で傷付いた僕らの時間を吸い取ってくれたんです」









アレンが見上げた先には大きな時計盤があった。









「私の、イノセンス…」

「ありがとう、ミランダさん」

「ありが、とう…?」

「ありがとう、ミランダ」









アレン、リナリーはミランダに笑いかけた。









「…貴女が助けたいと思ったから、イノセンスは願いを叶えた。

それは貴女が『行動した』から実現できた。

…ありがとう。」









ヨリも、ふ、と微笑する。

ミランダの目から涙が溢れた。









「私…私…っ」








ミランダに笑いかけた三人は、顔を合わせると真剣な顔をして頷いた。







「一先ず、ここから脱出しないとね」

「イノセンス発動!」

「イノセンスーーー発動。」







リナリーとヨリはイノセンスを発動し、ダークブーツとダークエンジェルを構えた。






「演舞・霧風!」

「Chama pena(炎の羽根)」







リナリーの霧風とヨリの散らせて炎を纏った羽根が、時計盤のドームの中から放たれる。










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