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「リナ、アレン」
「!ヨリ!!」
「お久しぶりです、ヨリ」
「トマも、久しぶり」
「えぇ、お久しぶりです。」
「ふふ、ティムも久しぶりだね」
少し離れた所から声をかけると嬉しそうにリナリーが駆け寄って抱き締めてきた。
その後ろで四年近く会ってなかった弟弟子も笑っており、それなりに任務先で良く会っていたトマも自分とリナリーを見つめている。
アレンの側を飛んでいた金のゴーレムも、挨拶するかのようにヨリにくっつき、飛び出してきたゼロとじゃれ合いをしていた。
「聞いてはいましたが、随分感情豊かになりましたね」
「まぁね。アレンも随分変わったね」
「そうですか?」
「だってクロス様に拾われたばっかりの時のアレンって「わー!わー!!ストップですヨリ!!言わないで!!」…そう?
リナはまた少し背が伸びた?」
「ほんと!?」
「うん」
嬉しそうなリナリーに笑いかけ、ヨリは街の入り口を見つめた。
「どう?何かわかった?」
「ううん、まだ」
「この通りですので、本部に報告した通りの情報しか得ていないのです。」
「僕達が入れるかどうか…」
「ふぅん…とりあえず、入ってみようか」
「お気をつけて」
バチバチと結界のようなものがトマの手を拒んだのを見て三人はそれぞれの荷物を持ち、街へと向かう。
スゥッと吸い込まれるように街に入って賑やかな街を少し歩き、ヨリは後ろを振り返る。
「入れましたね」
「拍子抜けするくらいあっさり…」
「…コムイ達の推測は正解かな。
でも、解決しないと出る事も出来なさそうだね」
「さて、どこにイノセンスがあるのかしら?」
「そうね、調べながら街の様子を見てみようか」
アレンはティムキャンピーを頭に乗せ、ヨリはゼロを肩に乗せて歩いていた。
注意深く辺りを見渡すも特に異変は感じられない。
「…とりあえず、三手に分かれて探しましょうか。
お昼に、あのパブで落ち合いましょ?」
「はい」
「…リナ、大丈夫?」
「大丈夫よ。心配しないで。」
にっこりと笑ったリナリーを見送り、アレンとも分かれてヨリはゼロと共に街の探索に入った。
暫く歩いていたが、確認できたのは『今日』が『10月28日』という事だった。
「(…もう1ヶ月も前なのに、ずっと繰り返しているというのは間違いなさそうだな…)」
ドォンッ!!
「!?
ゼロ、今の方角!」
爆発音が聞こえ、振り返ったヨリの言葉に従ってゼロはある方角へと飛んでいった。
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