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「彼女、やはり君とブックマンの知り合いなんだ
ね」
「ぇ…」
「……………」
「…ブックマン、ヨリ・時雨との関係を、良ければ教えて頂けませんか」
「…あれから聞いたのでは?」
「いいえ。一年前、彼女が中央庁から転属した時に“貴方々”を探している事は聞いていましたが“貴方々”との関係は話しませんでした」
「中央庁、だと…?」
「なん、でさ…アイツが中央庁にいたのも、何でオレとの関係を言わなかった事も…」
「…室長殿、こちらからの質問が先で構わないか」
「2つ約束して下さい」
「2つ?」
「1つ、もし公に出来ないならボクだけで構いません。彼女との関係を」
「アイツはオレの女さ!!」
「えっ?」
「お前は黙ってろ!」
「でも…っ」
「ワシが説明する。お前が口を挟むとややこしくなるだろうが、馬鹿もん!」
「っ、…」
「すまない室長殿。もう1つは?」
「…もし、彼女を良く思っていてくれているのであれば、彼女を救って頂けませんか」
「何…?」
「ボクらの声は、彼女に届かないんですよ。きっと、貴方々…ラビ君なら届くかもしれない」
「っ、オレ…?」
「………分かった、手は尽くしてみよう。」
「ありがとうございます」
「まず……ヨリ嬢とこの馬鹿弟子…ラビは共に育った間柄。ヨリ嬢の生まれは違うが…殆ど同郷と言っていいじゃろう」
「幼馴染…?」
「そう。また、ラビが時期ブックマンを継ぐにあたり次の後継を決める事が決まった。ワシがこの歳で弟子を取ったからな、同じ事が無いようにだ」
「つまり、ヨリは…」
「一族が決めた、跡継ぎを産む許嫁じゃ。」
「オレがヨリじゃないと嫌だっつったんだろ!!ガキ産むだけの為だけにいるみたいに、許嫁って形だけみたいに呼ぶなさ!」
「黙れといったろうにこの馬鹿者が!」
「…何となく分かりました。ラビ君は、ヨリの恋人?」
「当たり前さね」
「、後で彼女に聞かせてあげて。」
「へ?」
「ボクが知りたかった事は聞けた。なので、今度はボクが話します」
「うむ」
「と、いってもどこから話そうかな…」
「構わぬ、始めから、最後までで」
「…年齢的に恐らく貴方々がヨリの許を離れて一年は経っていないと思います。彼女は病死した母親をアクマにした父親に殺されそうになったらしいです。」
「「!!」」
「彼女を助けた元帥のほぼ間違いない予測、ですがね」
「元帥?」
「当時、アクマは文字通り全てを破壊し、人間を殺し、唯一生きていたヨリを手に掛けようとした時、彼女のイノセンスは発動したそうです。」
「つまり」
「まさか…!」
「…ヨリは訳が分からないまま壊したと思われます。元帥によると当時ヨリは暴走して、死にかけていたみたいで何があったのかは殆ど覚えていないみたいですから。」
「……………」
「イノセンスが適合した以上回収のつもりだったのか、別の理由があったのか分かりませんが、元帥は彼女を拾って2年程修行していたそうです。イノセンスの使い方、体術など、戦い方を。」
「2年…」
「…これはボクの予測ですが、その時中央庁に目を付けられた可能性があります。」
「それさ、何で…」
「彼女はイノセンスを2つ使っているから」
「「!」」
「ボクも彼女から聞いた時驚きました。実際見せてもらいましたし。」
「…一旦、続けてくれ」
「えぇ。…それで、彼女に目をつけて元帥から引き離した中央庁は特殊戦闘部隊『鴉』と同じ、かなり酷な修練を強いていたようです。」
「なっ…」
「特に…彼女は長官の『お気に入り』。手段は選ばなかったかと思います。」
「そんな、イノセンスで逃げちまえば…」
「…これは、長官から聞いた話で、それを使って利用しろって事だったのかもしれませんが…彼女は逃げない代わりに長官に条件を出した」
「条件?」
「貴方々ブックマンの捜索」
「!」
「あくまで見つける事。捕まえるのは違います。でもそれを呑んだ長官の言う通り、彼女は一度も逃げなかったそうです」
「そんな…!」
「元々、両親も皆亡くなって、元帥がいたとはいえ心が疲弊したのでしょう、彼女の心が壊れるのは時間は掛からなかった。」
「なら、ヨリ嬢は…」
「…ボクはこの一年間の彼女しか知りません。ですが…」
「………」
「この一年間、無以外の彼女を見た事がありません。」
「、」
「ただ、時々雰囲気が違う時があります」
「違うって…?」
「時々、迷子の子供が泣くのを耐えているような顔をしてるんだ」
「…!」
「だからラビ君、迷子のヨリを助けてくれる?きっと、ヨリがずっと探し続けていた君じゃないとダメだろうから。」
「…でも、さっき逃げなかった?」
「無意識に怖くなったんじゃないかな。探し続けていた人に拒絶されるんじゃないかって。自分と会っても、もう記憶にないかもしれない、もう関係ないのかもしれないって、言っていたから」
「そんな事…」
「うん、だから。来たばっかりの君に頼むのも悪いんだけど、お願い」
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