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「な…んで…」
任務から帰って来た早々紅月との連絡が男の声を最後に途絶えたとコムイから聞いて、急いで紅月のいる街に駆けつけた。
ホームから割と近かった街は聞いていたより酷い有り様だった。
今はそんな事どうだっていい…。
「紅月…っ!」
建物の下から、下敷きになっているのは俺の愛しの彼女。
「ラ…ビ…?」
微かに意識があるのか、俺の声に小さく返した。
俺は急いで紅月を引っ張り上げる。
「…っ…」
紅月の傷は俺の想像以上に深手だった。
「ラビ…」
紅月が喋りながら俺に手を伸ばす。
「紅月喋るな…!!」
片手でその手を掴み、俺は何とか応急処置を施そうとした。
が、紅月の手がそれを拒む。
「ラビ…いいの…」
「紅月…」
「ホントは……心臓、取られ…そうになった、んだけど………それは嫌、って…頼んだの…
来て、くれそうな…気がしてたから…」
体温が徐々に下がっていく中、彼女は薄く微笑んだ。
教団に行ってももう助からないのを、彼女が一番知っていた。
「…ラビ、私幸せ者だね…」
突如、彼女が話し出す。
「…何で…?」
余り喋ってほしくなかった。
これが最後の会話だと物語っていたから。
「一番愛してる人に見届けられるんだもの…」
そう言って、彼女は俺の左頬にそっと触れた。
そのまま、頬に伝う涙を拭う。
「泣か、ないで…」
彼女は続ける。
「…お願い…聞いてくれる…?」
本当は聞きたくない。
次の言葉が…彼女の最期の言葉だと感じたから。
「っ何さ…?」
震える声で、彼女の言葉を聞く。
紅月はラビの耳元でポツリポツリと言葉を紡いだ。
「……」
目を閉じ、完全に意識が消えるまで、俺は彼女に口付けた。
──キス、してくれる…?
それが、彼女の最期の願いだった。
俺は赦さない…
あの人間好きな男。
例え、千年伯爵からの命令で彼女を手にかけたとしても。
ーーーー懺悔室ーーーー
死ネタ苦手です←
じゃあ何で書いたん?みたいな感じですねハイ←
なんで書いたんだろ…(-_-;)
そもそも短編自体書くのが苦手です←
2011.06.09.
2020.08.05.移動
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