「幽霊、ですか?」
「ああ。どうしたもこうも、この先にある湖に出るって野郎共がうるせえんだ」
「そうですか。一回寝てみたら大丈夫じゃないですか?」
「頭の話じゃねえからな」
「あ、凌統殿!凌統殿ー!!」
「完全無視だなこいつ」
「どうしたんだい?二人でいるなんて珍しいね」
「聞いてくださいよ、凌統殿ぉ。バ甘寧殿の奴がまた頭が沸いたようなことをおっしゃって…」
「おいこら」
「いつもの事でしょう。それで、何ですって?」
「この先にある湖に幽霊が出たっつー話だ。野郎共が被害にあってる」
「へえ。だったらとっつかまえてフルぼっこにしちゃえば良いんじゃない?」
「いやいや無理だろ!相手は幽霊だぜ?簡単にいくかわからねえ」
「いつもうざったい程強気な甘寧殿が珍しいですね」
「あ、もしかしてあんた、怖いっての?」
「いや、危ねぇから行くなって…」
「誰が?」
「呂蒙のおっさんが」
「わかりました。まず呂蒙殿を燃やせば良いのですね?」
「いやいやいやいや違うでしょうよ、軍師さん」
「その次に甘寧殿を。そして幽霊を、って手順ですね。わかりました」
「いやいやいやいや」
「だからどうするかを陸遜に聞いてみたのによ」
「呂蒙殿が駄目だとおっしゃったのならば、私に決定権は無いのですが何か」
「んだよ。じゃあどうすんだよ」
「今頃呂蒙殿が大慌てで殿の所に報告しに行ってる所でしょう。殿も大慌てで大軍を率いて湖に進軍するつもりでしょうから、良いんじゃないですか、放って置いても」
「まあ、確かに」
「そうだな」
「殿も幽霊嫌いでしたからねえ」
「確かにな」
「そうだった」
「そんな事より、お茶などどうですか?美味しい饅頭がありますよ」
「行く行く!」
「俺も!」
幽霊退治
(そんなことに興味ないね、)