03
「なんつー照れくさい事を臆面も無く言ってくれるんだよ」
俺は恥ずかしさのあまり、勘右衛門同様机に突っ伏した。
「まぁ、それでも格段に俺たちよりモテないのは事実だけどな」
と、折角人が救われた気分になったのに、三郎が「ふっ」と鼻で嗤ってぶち壊した。
「てめぇ三郎!」
ガタッと机を揺らす勢いで立ち上がると「事実だから仕方がない」と、兵助がしらっと吐き捨て「それよりも、折角連休だし、クリスマスイヴに俺たちでパーティーしようよ!」と、復活の兆しを見せた勘右衛門が話しを変えた。
それよりって…酷くね?勘右衛門さん。
「良いね!楽しそう!」
雷蔵が瞳を輝かせ「何処に集まる?」と鴻が具体的に話しを組み立て始めた。
それからは場所や時間の他にも、持ち物や折角だから料理をしようとか、イルミネーション見に行っちゃう?とかプレゼント交換は必要だよねとか、男子学生にあるまじき、いや、男子学生しか居ない場の出来事じゃねぇだろ!と笑い転げつつも着々と決まっていった。
最初はあんなに忌々しかったクリスマスだったのに、今ではこんなに楽しみで仕方がない。
そんな不思議な気持ちにさせてくれるこいつらが友達で本当に良かった。
世の中のリア充さん、滅びろとか言ってごめんな!俺も十分充実しそうだわ。
「男だけってのも虚しいけど、それはそれで面白そうだよな!」と、くくっと思わず笑いを漏らした俺を見て、鴻も釣られて「ははっ」と笑った。
Merry Christmas
(―――八のその笑顔が好きだって子、多いんだけどなぁ)
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