これだからガキは


4DとN



「ダンテ。お前ってさ」
「ん?」


ネロが事務所のソファーでねっころがりながら雑誌を読みつつ退屈そうに話し掛けた。同じく雑誌を眺めていたから、同じように気の抜けた声で返事をする。ネロはそのまま、雑誌をめくりながら んー、と呻き、また口をひらいた。

「アンタって何歳?」
思わず吹き出した。
「おいおい。もっとデリカシーを持ってきいてくれよ。」
「オッサンのくせにデリカシーとか言ってんじゃねえよ」


気持ちワリイ、と口汚い言葉を浴びせられながらも、オッサンとしての威厳やら尊厳やら、大人の余裕やらをため息に含めて、ネロを盗み見る。ネロはやはり退屈そうに雑誌を読んでいた。

「スパーダはさ。…アンタの親父は千年生きたんだろ?」
「あー、そうだな」
「つまりアンタも千年?いや、半魔だから五百年か?」
「ははは。冗談だろ坊や」


そんなに長生き出来るわけが無い、というか、しない。ときっぱり断言する。ネロがようやく、少し興味を持ったように顔をこちらにむけた。

「なんで?」
「人間の血が多いんじゃないか?生憎、ここまでほぼ、人間と変わらない」
「日々の食生活が老化促進してるんじゃねえの?」
「冗談にしちゃ上出来だ」


雑誌が今流行りのスイーツを紹介している。ストロベリー、ブルーベリー、チョコレート。今度坊やにでも作らせようか。パティに生クリームを作らせて、おお、いいじゃないか。


「こっち無視すんなよオッサン」
「…いきなり何だ?そうだお前。これ作れ。作れば聞いてやらないことも無いかもしれない。」
「作らねえよ。」
雑誌の、まるで宝石の様なケーキを指差しながら言うが、ネロは頗る不機嫌そうに吐き捨てるのみだった。



120110




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