どうしてこうなってしまったのだろう?
私は廊下の真ん中で首を傾けた。
なぜ、私がこんなことをしているかというと時間は少しさかのぼって、リヴァイさんとお昼ご飯を食べたあとだった。
いつものようにお昼ご飯を食べ終え、今日の午後はハンジさんが遊んでくれる予定だった。
なので、私はリヴァイさんとわかれ、兵舎の方まできたのはよかったのだ。
しかし、兵舎まできて考える。
そう、私はハンジさんのお部屋がわからないのだ。
いつもハンジさんに遊んでもらう時はハンジさんが迎えに来てくれるか、リヴァイさんがハンジさんのところまで連れて行ってくれる。
しかし、今日に限ってハンジさんは現れないし、リヴァイさんも忙しい。
周りを見渡しても同じような扉ばかりで全くわからない。
だんだん不安になって、俯いていた時だった。
目の前に影が落ちた。
顔をあげるとそこには
「…ミケさん?」
私を見て少々驚いた様子のミケさん。
私はミケさんを見て、安心してミケさんに抱きついた。
「ミケざぁーんっ…ぅっ…ぐずっ…」
抱きついて突然泣き出した私にミケさんはさらに驚いていたが、優しく私を抱き上げてくれる。
「どうしたんだ?」
「うっぅっ…ハンジさんのお部屋、行こうとしたんげずけどっハンジさんのお部屋わかんなくてっ、ぐずっ…」
涙交じりに話す私にようやくミケさんは状況を理解してくれたようで、ぽんぽんと背中を叩きながらハンジさんのお部屋まで連れてきてくれた。
ハンジさんのお部屋の前までくると、突然扉が開いて、ハンジさんが飛び出してきた。
ごめんね、ティナちゃん!気づいたら寝ちゃってて…
と必死で謝るハンジさんが面白くて私の涙も引っ込んでいった。
そろそろ仕事に戻ると背を向けたミケさんの袖を掴む。
「ミケさんっミケさんっ」
どうした、と私に合わせてかがむミケさんに
「ありがとうございました!」
と笑顔で言えば、ミケさんは私の頭をなでてくれた。
それが嬉しくてついへへっと笑うと、ミケさんとハンジさんが固まってしまったけれど特に気にしないことにした。
((て、天使ーーー!!))
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