王都から戻ったエルヴィンが連れてきたのは、
とても目つきの悪い男と
髪の長い小さな女の子だった。
出会い
「じゃあ、調査兵団への入団の条件は、その女の子も一緒に連れてくることだったってこと?」
「そうだ。」
ハンジは外でナナバと遊ぶ女の子を見た。
東洋人の血をひいているらしい女の子はとてもきれいで可愛らしく、地下で暮らしていて、ましてやこの斜め前に立っている男が連れてきたとは到底思えないほどだった。
ハンジは先ほどの出来事を思い出していた。
王都へと行っていたエルヴィンが帰ってきたと聞き、彼の執務室へ足へ運んだ。
いつものようにノックもせず勢いよくドアを開けたのだが、そこで立ち止まってしまった。
なんと、ソファに座るエルヴィンのむかいに全く知らない男と小さな女の子が座っていたからだ。
呆然と立ち尽くすハンジにエルヴィンは
「やあ、ハンジ。
紹介するよ。
調査兵団に入団することになったリヴァイとティナだ。」
と微笑んだ。
それからエルヴィンはハンジを自分の隣に座らせ、ティナをナナバに任せ部屋から出すと説明を始めた。
エルヴィンの説明はこうだ。
王都の地下に有名なゴロツキがいるという話を聞いて興味がわき、会いにいった。
そのゴロツキというのがリヴァイなのだが。
そして、彼を気に入り調査兵団に入団して欲しいと頼んだところ、始めは拒まれたものの、一つの条件つきで入団することになった。
その条件をエルヴィンは承諾して、2人をここへ連れてきた。
ここで意識を斜め前の男に戻す。
顔を見るとすごく睨まれた。
印象は最悪だ。
しかし、エルヴィンが連れてきた男だ。
何か感じるところがあったのだろう。
「彼はまだ何も知らない。
だから、ハンジは巨人についての知識を教えてやってほしい。
戦法、戦術はミケに頼む。」
「ああ。いいよ。」
ずっとこちらを睨んでくる男にいろいろと教えなければならないということに抵抗を感じたものの、エルヴィンに頼まれたら断ることはできない。
「では、そろそろティナも紹介するか。」
そういうとエルヴィンは外で遊んでいたティナとナナバを呼んだ。
たぶん、これが全ての始まりだったと思う。
ティナは部屋に入ると状況がわからなかったのか、キョトンとしていたがリヴァイに促されるとハンジ達の方を向き
「ティナです!
よろしくおねがいします!」
と笑顔でおじぎをした。
それはそこにいた全員のハートを射抜くには十分すぎた。
(((か、かわいいーーー!)))
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