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「「「キャ-----!!!
御幸くーーんっ!!」」」
「はぁ・・・。」
あいつが通るたびに上がる歓声。
それに笑顔でこたえるあいつ。
「はぁ・・・。」
「溜息つくと幸せ逃げるぜ。」
「倉持・・・。」
隣の自分の席に座ったまま話しかけてきた倉持。
「・・・好きならさっさと言えばいいじゃねえか。」
「・・・別に好きじゃない。」
そう、好きじゃない。
でも、なんだか無性に腹が立つ。
「ムカつくだけ。」
「翼ちゃんは素直じゃないからねぇ。」
「みっ御幸?!
・・・何してんの?」
「えっ?
翼ちゃんに抱きついてんの。」
・・・いやいや
抱きついてんのじゃなくて・・・
「何で抱きついてんの?」
「翼ちゃんが素直になんないから?」
「・・・意味分かんないし。」
しかも何で疑問符なんだ。
「翼ちゃんさあ・・・
俺のこと好きでしょ?」
「っはあ?!
そんなわけないでしょ!!」
思わず振り向いた。
「顔真っ赤☆」
「っ///」
顔を隠したくてもう一度、前をむいた。
「俺はさぁ・・・
好きだよ。翼ちゃんのこと。」
「えっ?」
「素直になれよ。」
「っ///」
ほんとは好きだよ。
ずっとずっと好きだったよ。
でも、悔しいから・・・
「嫌いじゃ・・・ない・・・。」
「はっはっはっ!
んじゃ、惚れさせてやるよ。」
素直になれない君に
(お前ら教室でいちゃつくなよ・・・。)
(うらやましいだろ倉持くん☆)
(キモい)
(はっはっはっ!ありがとう!)
(ほめてねぇよ!!)
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