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「あっ、亮さん!!」
休み時間、廊下でたまたま見つけた亮さんに声をかける。
ちなみに、亮さんは一つ年上の、私の自慢の彼氏だ。
しかし、野球部のレギュラーとなれば、それはそれはおモテになるわけで…
「亮介くん!」
あわわわっ…
あっという間に亮さんは、お姉さん方に囲まれてしまった。
…とても近づけないな〜
はあ、と諦めて教室に戻り席に着く。
「倉持ぃ〜
亮さんモテるよ〜」
机に突っ伏しながら倉持に訴える。
「ヒャハッ!そりゃ、亮さんだからな!」
「うー…りょーさーん…」
「何?」
「りょ、亮さん?!」
目の前には、いつのまにか亮さんがいた。
満面の笑みで…
「倉持、翼借りてくね。」
そう言うと亮さんは私を立たせ、腕を引き、屋上へ連れて行った。
ガチャっと屋上のドアを開けると、スーッと気持ちい風が吹いた。
しかし、今の気分はそんな爽やかなものではなくて…
「亮…さん…?」
何も話さない亮さんに不安になり、とりあえず呼んでみる。
「クスッ…
翼さぁ、ヤキモチ妬いてる?」
「えっ?!そ、そ、そんなことないですよ!!」
図星でつい、かみかみになってしまった。
でも、妬いてたなんてばれたくない。
面倒な女だって思われたくない。
亮さんに嫌われたくないから。
ギュッ
「ふぇ?」
「クスクス…本当翼はかわいいよね。」
「えっ…?」
「大丈夫だよ。
俺は翼だけだから。」
私は一度顔をあげて亮さんを見た。
「亮さん、ヤキモチ嫌じゃないんですか?」
「嫌じゃないよ。翼のヤキモチならね。」
「亮さん!」
私は亮さんに抱きついた。
「亮さん大好きです///」
「知ってる。」
ひとりじめ
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