敬愛よりも崇拝してるのだと言われればそれまでだろう。







跡部と慈郎は喧嘩をしたことがない。
実際これは慈郎の見解、だが。跡部からしたら慈郎に腹立つことは多いし(寝坊とか寝坊とか丸井とか丸井とか丸井とか)、それにブチギレて雷を落とすこともしばしば。
でもそれを慈郎は喧嘩とは認識していない。



「それはお説教でしょ」


さらりと言ってのける。
でも確かに、喧嘩というのは言わばお互いの意見の食い違いで、跡部がどんなに慈郎を叱りつけたって、逆に慈郎がそれに逆ギレでもしない限りは喧嘩にはならないのだ。
勿論慈郎も跡部の全てを許容してるわけでもないし、お説教は長いから嫌いで、拳骨は痛いからもっと嫌いだ。
それでも慈郎はちっとも、跡部に嫌悪感を向けない。



「いやなとこもあるよ、やっぱり高飛車だし、ド派手だし、オレサマだCー」


「でもなんか、なんだろ、やっぱさ、人間として、すきな部分のが、断然勝ってんだよね、へへ、跡部に言われたらさ、うざいなぁ・むかつくなぁ・とかより、怒ってもかっけぇなぁとか、俺のこと今見てるわぁとか、そんなんの方がいっぱい思う」


へへ、はずかC、
と体を縮みこませて慈郎が語る。
ただの、ノロケだった。

惚れた弱みとかナントカ言うが、結局そういうことなんだろうな、そして自分もきっとそうなんだろう、と。
跡部は照れ隠しに「高飛車で悪かったな」と慈郎の頭を一発叩いた。
(自分のノロケを聞くことほど胸がこそばいことはない)







(20110510)
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