弱肉強食の摂理 | ナノ




・女の子攻めです
・しかしがっつりおっさん受け





「たまには私にもさせてくれない?」

あぁもう何でこんなに綺麗なんだろうこの子は!
女神のようににっこり微笑んでそうお願いされれば、俺はもう頷くことしか出来ないようなものだ。勿論彼女はそれを分かってやっていて、更に俺だってそういう彼女の思惑を分かっている。にもかかわらず、俺の首は頑なに横に動こうとはしちゃくれない。
要するに、俺は彼女にべた惚れで、彼女にすこぶる弱いのである。

「ダメ?」

あぁもう分かってる癖にそうやってとぼけて見せる所も、わざとらしくちょっと幼い口調でそう聞いてくる所も、彼女の何もかもに適わない。
けれど言葉にするのはちょっと癪なので、彼女と目を合わせてから一度だけこくんと頷いてみせる。
すると彼女はまたにっこりと笑って、楽しげに俺の額にキスをしてきたり、首筋を撫で上げたりしてきた。幼い愛撫のくすぐったさに笑みがこぼれ、あやすようにさらさらの髪を撫でてやる。

「ふふっ」

するとその手首を彼女が取り、吐息のかかる距離まで顔を近付けて覆い被さってきた。鮮やかな真紅を青く長い睫毛が縁取って、彼女の瞳はとても綺麗だ。
ちゅ、ちゅ、と音を立てながら何回もバードキス。唇、まぶた、耳、鼻の頭、頬、首筋。

「ん…っ!」

また唇に戻ってきて、今度は舌が侵入してきた。舌を吸われ上顎をつつかれて、ふわふわとした快感に包まれる。いつもは立場が逆だからそこまで意識をしていなかったが、彼女はかなりキスが巧いということが今分かった。その証拠に、情けなくも気持ち良くてすっかり身体の力が抜けてしまっている。

「かわいい」
「……っからかわないでよ…」

くすくす笑いながら、彼女がぺろりと濡れた唇を舐める。何とも妖艶な光景に下半身がどくんと疼いて反応し、それに目敏く気付いた彼女はまた笑って俺の下履きに手を掛けた。ベルトを引き抜くと同時に再び口内を犯され、甘い痺れが全身を駆け巡っていく。下着越しに自身をなぞられると声が洩れそうになったが、それは彼女の唇に吸い取られて消えた。
唇を解放され、下着ごと下履きをずらされる。彼女はらしくないやや粗雑な仕草で手袋を口で外し、俺の緩く立ち上がったモノをその白い手で包んだ。途端ぴくりと跳ねそうになる身体を抑え、息を吐いて落ち着こうと努める。
自分で言うのもあれだが俺のセックスはかなり優しいと思う。俺は女の子を気持ち良くしてやるのが好きで、女の子が良さそうにしてくれると自分まで気持ち良くなったように感じる。実際挿入より前戯や後戯の方が好きだし、肉体的な快楽よりは精神的な満足をセックスに求めているように思う。
だからこんな風に女の子からされることなんて初めてで、つまり口でされるのも初めてで。

「ひっ、ぅあ、!」

ちゅ、と彼女が亀頭に口付けた瞬間、びくりと腰が跳ねた。それに驚いた顔をして見てくる彼女と目が合わせられず、顔を真っ赤にして目を反らす。するといきなり深くまでくわえられて、また腰が跳ねて変な声が洩れた。吸い上げたり舐めたり締め付けたり、巧みな舌使いが俺を翻弄する。

「ゃ、うぁ、あっ!」
「気持ち良い?おじさま…」
「ひぅっ、」

フェラされるのってこんなに気持ちが良いものだったのか。彼女の攻めは俺にそう思わせるのに十分過ぎるくらい凄かった。動きのバリエーションの多さといい、俺が感じるポイントを正確に刺激するその的確さといい、本当に凄い。
だから俺がすぐに上り詰めてしまったのも仕方がないことだ。そう思いたい。

「も、もぅ……っ、ぁ!」
「イきそう?」

手で緩く扱きながら彼女がそう尋ねてくるのに、必死にこくこくと頷いて応えた。すると彼女は何故かもう一度俺のモノを深くまでくわえ、更に激しく刺激を与えてくる。

「!やだっ、だめっじゅでぃちゃっ、もっ、出る、でる、からっ…!」

離させようと彼女の頭を押すが、力が入らなくて全く意味を成さない。とどめだとばかりに先端を思い切り吸われた瞬間、何も聞こえなくなって頭の中が真っ白になる。

「ゃ、〜〜〜…っ…!!!」

思い切りイってしまったのだと、そう気付いたのは数秒後。一回り以上年下の彼女に見事にイかされて、しかも情けなく喘いでしまった上最後は口でキャッチされて、情けないやら恥ずかしいやら泣きたいやら。これ以上ないくらい顔が赤くなっているであろうことが自分でも分かるくらいなのに、彼女が顔を覗き込んできて、そのままじーっと見つめてくる。羞恥に耐え切れず手で顔を隠そうとすればそれを妨げられて、またじーっと見つめられる。とても居たたまれない。

「……どうしようかしら」

悩ましげに、彼女がぽつりと言う。見上げて首を傾げると、彼女はうっとりとして言った。

「楽しくなってきちゃったわ」

あぁまた女神の微笑み。眩しいなぁ綺麗だなぁ、でも楽しくなってきたってどういうこと?

「っひゃ、!」
「此処もお好きよね?」

まだ彼女の言葉を理解していない内に、弱点である耳を攻められる。ぞくぞくと耳から爪先まで快感が走り抜けて、またびくびく腰が震えてしまう。それが恥ずかしくて真っ赤になればまた彼女は恍惚とした表情をして、今度はシャツに手を掛ける。

「ぁ、あ、ぅぁ、っん」
「かわいい…」

違う可愛くなんかない、そんなの彼女の方がよっぽどそうに決まってる!
しかしそんな反論を紡ぐ余裕は無く、情けなく声を上げることしか出来ない。そしてそんな俺を追い詰めるように、彼女が乳首を指で転がしてくる。

「ひゃぁあっ!」
「本当に敏感なのね、かわいいわ…」
「ゃ、ちが、ちがう、ぁ、」
「素直になっていいのよ?」
「ぁひっ、ぁあ、」

撫でたり、引っ張ったり、爪を立てたり、転がしたり、捏ね回したり。様々な愛撫を受けてそこは充血してぷくっと膨らみ、まるで女の子みたいでまた泣きたくなった。けど気持ち良くてたまらなくて、抗えない。

「乳首と耳だけでイってしまいそうね?おじさま」
「ふぁあっ、ぁ、あ、」

文字通り骨抜きで、理性や威厳は今にも崩壊寸前。耳と乳首への愛撫ですっかり元気を取り戻してしまった俺のモノは、だらだらと先走りを溢れさせて物欲しそうにしている。彼女はそれを何回か擦って先走りを指に絡めると、次の瞬間とんでもない暴挙に出た。

「ひっ…?!」
「少し、我慢してね?」
「ぅあ、!だっ、だめっ、そんなっ、そんなと、こ……っ!!」

つぷ、と彼女の指が一本、後腔に入り込む。溢れる先走りが竿から睾丸を経てそこまで濡らしてしまっているおかげで痛みはほとんど無いが、違和感がひどい上、とんでもない場所を弄られている羞恥に涙が滲む。

「じゅでぃ、ちゃ……っ」
「大丈夫、もうすぐ気持ち良くなるわ」

そういう問題じゃない!
そう反論しかけた(まぁどうせ言葉にならなかっただろうけど)瞬間、彼女の指がある一点を擦り上げた。

「ふあぁぁあぅっ!?」

突然の物凄い快感に、だらしない声が洩れる。目の前がちかちかして力が抜け、未知の刺激に期待と恐怖を同時に覚えた。

「おじさまのイイ所、見付けた」
「はうぅぅっ!」

またぐっと押し上げられてびりびりと身体が快感に痺れる。初めて経験する種類の物凄い快楽に、流れる涙や涎を気にする余裕すら奪われていく。
後ろで感じてるなんて認めたくなくて、でも気持ち良いのはさっぱり止まっちゃくれなくて、俺はもう声を抑えることも忘れて情けなく喘いだ。

「やらっ、そこっぐりぐりしちゃやらぁっ!ぁあっ、ひぃ、い、」
「どうして?此処、お好きでしょう?」
「はひ、ぃ、!も、ひもちっ、きもちよすぎてっ、へんに、なる…っ!」
「はぁ、かわいいわ、本当に…。」
「もっ、も…!ひぁあっあ゙ぁあ゙ぁぁ〜〜〜…っ!!!」

あまりの快楽に訳が分からなくなって、びくびくと身体を震わせながら背を反らせて思い切りイってしまう。
最後に見えたのは、至極嬉しそうな、それでいて欲に濡れた表情の彼女。俺はそんな顔をする彼女を見たことがなくて、今までで一番楽しそうな顔だと消え行く意識の片隅で思った。




翌日。目覚めたら身体が綺麗にしてあって恥ずかしかったとか喘ぎ過ぎて声がかれているとかそういうのは無視し、昨夜のことは一夜のこととしてもう忘れることにして、ぶらぶらと町を散歩して自由行動を楽しんでいた時。

「あれ」

様々な店が連なる通りの中に見慣れた青のお団子頭が見えた。正直あんなことがあったばかりなので多少の気まずさはあったが、それでもやっぱり恋人なので歩み寄って声を掛ける。

「ジューディスちゃん。何やって、」
「あらおじさま、丁度良かったわ」

またにっこり、女神のように微笑んで。その笑顔だけ見ていればもう百点満点言うこと無し、でもその右手に持ったヴヴヴヴヴと振動する沢山の突起が付いたものと左手に持った大きな球が幾つも連なった長いものはなぁに?

「どっちがいいかしら?」

そうとびきりの笑顔で言う彼女に、俺は卒倒した。



弱肉強食の摂理

101202





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