只今充電中につき | ナノ




・会話文





「……ねぇフレンちゃん。」
「はい、何でしょうか?」
「えっと、何なのこれー…。」
「貴方を膝の上に乗せて抱き締めています。」
「そ、そうじゃなくて。何でこんなことになってんのかなーって。」
「すみません、つい。」
「つい、じゃないわよ、もう。お前さんももういい大人なんだから。」
「大人でも甘えたい時はありますよ。貴方だってそうでしょう?甘えん坊ですよね、結構。」
「お、俺のことはいいの!まぁそりゃあ、たまになら構わないんだけどさ…こうおおっぴらにされちゃうと、ねぇ?」
「皆もう慣れっこですよ。充電です、協力して下さいませんか?」
「うぅぅ〜……」
「…………抵抗が無いということは、協力して頂けると取って構わないと?」
「………ふっ、フレンちゃんの卑怯者。そんなっ、そんな満面の笑みでこっち見ないでよ…。」
「ふふ、ありがとうございます。では存分に!」
「ふぇ、」
「はぁ、落ち着きます。」
「そ、そういうもん、なの?」
「はい。こう腕の中にすっぽり収まる感じで、柔らかくて。とても落ち着きます。」
「……そ、そう。」
「それに頬の赤い貴方を見るのも、とても楽しいです。」
「や、やっぱ止める!放して!」
「駄目です、まだまだ充電が足りませんから。お付き合い頂けるんですよね?レイヴンさん。」
「そっ、そんなこと言ってない!」
「まぁどちらにせよ逃がしませんよ。こんなに可愛らしい貴方を。」
「ううぅぅ〜〜…っ」
「どうかしましたか?」
「………じっ、じゃあ、もっとぎゅーってしなさいよ。…俺だって、たまには甘えたかったりするんだから。」
「…………」
「…なによっ。」
「……貴方があんまり可愛いことを言うので、夢かと。」
「ふっ、ふんだ!どうせ素直じゃないひねくれたおばさんですよーだ!」
「いえ、要するに、僕は今とても嬉しいということです。」
「わ、」
「ぎゅーって、して欲しかったのでしょう?今度は交代ですね。」
「ぎ、ぎゅー?」
「ぎゅー、です。」
「…………」
「どうですか?落ち着きませんか?」
「…………」
「…………」
「………さ、」
「さ?」
「………三分だけ、おねがい…。」
「貴方の為なら、いくらでも。」



只今充電中につき

100630





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