なんでそんなにかわいいの | ナノ



・23話以降設定




「虎徹さん、おはようございます」
「タイガーおはよーっ!」
「おはようございます、タイガーさん。」
「お、おはよ…タイガー。」
「よっ、虎徹。」
「アラ、タイガーちゃんおはよう。」
「ワイルド君、おはよう!そして、おはようございまーす」
「……………」

いつも率先して快活に挨拶をする筈の虎徹が、なぜか今日は黙っている。ヒーローの面々は皆、おかしいと思って首を傾げた。

「?どうしたんですか、虎徹さ…」

ぼろっ。
そうバーナビーが声を掛けた瞬間、琥珀色のたれ目から大粒の涙がこぼれた。そのことに対して、ヒーローの面々のみならず、虎徹自身も非常に驚いているようだった。
虎徹は焦ったように口を開いたり閉じたりして、袖で涙を拭いながら困ったように笑う。

「っごめんな、その……皆が、ちゃんとおはようっつってくれんのが、なんか…、うれしくて。」

照れ隠しなのか、頻りに謝りながら虎徹が眉を下げて笑う。
この時、虎徹を除くヒーロー達の思いは完璧に一致していた。

(なんだこの可愛い生き物!!!)

我慢できずに皆で一斉に抱き締めると、虎徹はまた少し泣いて、それから幸せそうに笑った。




なんでそんなにかわいいの

100915



―――――――

泣いちゃうおじさん天使。