子どもはかわいい。これが虎徹の揺るぎない持論だ。 ホァンみたいに明るく素直なのもかわいいし、カリーナのように強がりつつ優しいのもかわいらしい。 それに。 「折紙はかわいいなぁ、よしよし」 「かっ、からかわないで下さい!拙者はそんな、かわいいなど…!」 こういう所がかわいい、と言ったらまた必死になって反論してくるのだろう。それがまたかわいい。 跳ねたブロンドを撫でてやると、複雑そうな顔をしながらも振り払おうとはしない。そしてその頬は赤い。 あーなんか、もう、かわいい! 「なぁ折紙、抱き締めていい?」 「!?だ……っ!?!」 「そりゃ」 ぎゅうと抱き締めてみると、案外固い感触。細身だが意外と鍛えているらしい。 こりゃ将来スカイハイみたいになるかなぁ、なんて想像を膨らませていると、我に返ったらしい折紙が小さく「わ、わわわ、わ、」なんて呟きだす。ちらりと横を見ると真っ赤な耳が見えて、楽しくなってうりうりと頬擦りしてやった。 「こ、虎徹、さ…っ!」 半泣きのような必死な声色で名を呼ばれたので、やり過ぎたかと思って解放してやる。と、離れようとした瞬間、逆に抱き締められた。 ぎゅう、と折紙の腕に力が込もる。 「っどうして……貴方は……っ」 「?おい、折紙?」 震えながらそう言う折紙の頭を撫でてやると、折紙が顔を上げる。涙の溜まった瞳はきらきら光っていて、白い肌は赤く染まっていて、なんだか眩しかった。 折紙は一度俯いて、それから恥ずかしそうにしながらもしっかりと目を合わせてきて、こう言った。 「僕の気持ちを知らないからっ、貴方は…そんな……っ」 きゅん。 (あれ、今なんか……わわ、わ、) 胸に疼きのような違和感。それに気付くと同時に何故か顔がかーーっと熱くなっていく。そしてそれに気付いたらしい折紙も同じようにさらに顔を赤くしていって、もう何だか訳が分からなくなった。 そんな甘酸っぱい状況に、遠くから二人を見守っていた他のヒーローたちは、生暖かい笑みを浮かべたのだった。 なんか、もう、ねぇ! 100619 ――――――― 折紙先輩のかわいさにおじさんきゅんきゅん。折虎は必死攻め×余裕に見えてそうでもない受けというのがとてもいいと思いますはあはあ。 |