VOICE | ナノ



「おじさんって、声大きいですよね」
「そうか?」
「セックス中の声です」

コーヒー吹いた。ついでにむせた。
げほげほ咳き込んでいるとバニーちゃんが「大丈夫ですか」と背中を擦ってくるが、一体誰の所為だと思ってるんだ。
苦しさに涙目になりながら睨み上げてやると、バニーちゃんは「そういうの、ムラムラするので止めて下さい」と言った。意味がわからん。

「なっ、何なんだよ、お前!」
「ただいつも思ってたことを言ってみただけですよ」
「い、いつも、って……!」
「あぁもう、そんな風に真っ赤にならないで下さい」
「誰の所為だよ!」

大きい、と言われても分からない。声なんて出したくないし聞かせたくないし、堪えようと思って唇や手を噛んだりもする。けどいつしか訳が分からなくなってそれも出来なくなるから、その時のことを言っているのだろうか。
そんなことを考えていると恥ずかしさが込み上げてきて、バニーちゃんの顔を見ることが出来ない。しにたい。

「何この羞恥プレイ…っ」
「こういうのが好きだったんですか、気付かなくてすみません」
「好きじゃねーよ!」

睨もうとした瞬間顔を上げてしまって、バニーちゃんとばっちり目が合った。
同時にがっちり手首を掴まれる。

「あ、あの、バニーちゃん…?」

そしてバニーちゃんがにっこり。

「ちょっとベッド行きましょうか」
「やだ!ぜってーやだっ!」
「まぁせいぜい我慢してみて下さい。堪える声というのもまたいいですし」
「いやだああぁぁぁぁ!」



おじさんの声

100612



―――――――

バニーちゃんがナチュラルに変態。