初めての時はお互い加減が分からず、とにかく痛い辛い苦しいで、その後しばらく彼が僕の家を訪ねて来るのを止めたくらいだった。 そこで僕は自らの情報収集能力を最大限に活かし、いかに男同士の性交で快楽を得るかについて三日三晩調べ続けた。 道具も知識も完璧に揃え、意を決して彼を誘うと、彼はぼやきながらも頷いた。彼曰く、「お前の変な情熱には完敗だ」だそうだ。 「ばっ、そこ、止め…!」 そして今、二度目の性交に挑んでいる。 前回は僕も彼も必死だった所為でうまくいかなかった面もあっただろうから、今回は冷静に、丁寧に前戯を施すよう心掛けている。そうしてみて分かったことがあるのだが、彼は乳首がすごくいいらしい。 「男でも気持ちいいんですね、ここ」 「ち、違うっこんな…っ!」 「恥ずかしがらなくてもいいですよ、もうこんなになってるんですから」 「ひぁあっ!」 ぐり、と右の乳首を捏ねると、甲高い声が彼の口から洩れた。自分の声に真っ赤になる彼がかわいくて、もっとサービスしてやろうと両方の乳首を捏ね回してやる。 「ひっ!やだ…っ、あ、ぁっ」 低い声が余裕無く上擦っているというのがすごくいやらしくて、その甘い声がずんと腰にきた。ズボンの中で痛いほど性器が勃ち上がっているのが分かるが、まだ我慢我慢。 弄って弄って赤く充血した乳首から一旦手を離し、彼の性器に触れる。先走りでぐちゃぐちゃになったそこを少し擦ってやれば、面白いくらい彼の身体が跳ねた。 「乳首だけでこんなにして、いやらしい人ですね」 そう耳に吹き込んでやり、わざと水音を立てながら扱いてやる。すると彼は真っ赤になりながら否定の言葉を紡ごうとしたが、全て喘ぎにすり替えられてしまった。 「やぁ、あ!ぃあっ!んっ」 本当にいやらしくて、かわいい。 見ているだけでイってしまいそうな光景に夢中になっていると、彼の身体が一際大きく震えた。 「ふあああぁ…っ!」 「あ」 しまった。イかせてしまった。 焦らしに焦らしあわよくば彼の方からおねだりでもさせようと企んでいたのが、全て水の泡だ。 「ぁ、ばに、ちゃ……」 でもイって気怠そうな様子がまたたまらないからよしとしておこう。 気持ちを切り替えると同時に、くたりとした彼をうつ伏せにして腰を高く上げさせる。いや、やだ、なんて声を上げていたけれど、力が入らないらしく抵抗はほとんどない。 先程彼が出した精液を、淡く色付く後腔に塗り込めていく。用意していたローションもかけてやると、冷たさに彼の腰がびくりと跳ねた。 滑りを利用し、まず一本。 「…っ……ん、」 前回より大分スムーズに入った。やはりローションは大切らしい。 しばらく緩い抜き差しを繰り返していると、きゅうきゅうに締め付けていたのが僅かに解れた。 「きつくありませんか」 「ぅ、…ん……っ」 声を掛けてから、ゆっくりと二本目を挿入する。彼が少し息を詰める音が聞こえたが、まだ大丈夫そうだ。 しかし異物を入れている訳だから苦しそうなのは否めず、ここで前立腺とやらを探ってみることにした。 「ぁ…っ?」 ずるり、と抜くと甘い声が上がった。どうやら抜かれるのがいいらしい。 大分解れてきたピンクの後腔に、再度指を挿入する。温かい中を拓いていき、やや手前の辺りで腹側に向かって指を折り曲げるようにする。 「ぅあっあぁあ…ッ?!」 びくん、と彼の腰が跳ね、性器からぷしっと先走りがこぼれた。 見つけた。 「ゃ、やだやだっ待て、ぁっあっ、んっふぁあぁ…っ!」 「気持ちいいですか?」 「ちが、…変、変だって…やだ、だめっ、あ、あぁっぅぁん!」 いつの間にか彼はぎゅうっと両手でシーツを握っていて、震える手から幾筋も皺が生み出されていた。そのいじらしい様子がひどくそそる。 そのまま三本目を挿入すると、最初僅かに引きつるような感じがあったものの、しこりを弄ってやればすぐにいやらしくとろけた。 「やだっぁあっ、まって、やぁ、ばに、ばにーちゃっあぁああッ!」 「そんなかわいいこと言っても止めません。というか止まりません」 「ばか、やろ…っあぁ!っふあぁ!」 ふとどんな顔をしているのか気になって、指はそのままに彼の身体をぐるりと反転させた。その際しこりを思い切り抉ってしまったらしく、彼が声にならない声を上げて仰け反る。 「も、や…こわい、やだ、…っ」 過ぎた快楽にとうとう彼が泣き出してしまうが、僕はといえば彼の表情に釘付けだった。とろとろ、といった表現がぴったりくる程にとろけた瞳は快楽に潤み、頬は真っ赤に染まっている。凛々しい眉は情けなく下がっているし、唇の端からはだらしなく涎が垂れているしで、何というか、もう。 「……貴方は僕をどうする気ですか」 「んっ、知らね、……ぅ、あ?」 「もう我慢出来ません。すみません。」 「へ、〜〜〜…っ…?!!」 柔らかくなった後腔に性器を押しあて、ずぶずぶと挿入していく。一気に挿入して激しく揺さ振りたい所だが、そこは我慢だ。彼の負担は相当なものなのだから。 「……いた、い、……っ!」 「すみま、せん、…もう少し、」 「ん…っ、」 ゆっくり、ゆっくり。ずず、ずず、と少しずつ進めては休んでを繰り返す。 そういえば彼はキスが好きだよな、と思って唇を落とすと、余程余裕がないのか縋りつくように積極的に舌を絡まされた。レア過ぎる。 キスによって力が抜けたらしく、やや進みがスムーズになり、口を離す頃には全てが彼の中に収まっていた。 「入り、ました」 静かに微笑むと、彼もまた静かにくしゃりと笑った。 熱くきつい締め付けに耐えながら、何回か息を吐いて呼吸を整える。 「動いて、いいですか」 「んっ、ムード、ない……っ」 「おじさんが、やらし過ぎて……余裕、ないんで、す…っ!」 「っ、あぁあ!」 逃げる細い腰を捕まえて浮かせ、ずんと深くまで突く。ずるずると抜いて、しこり部分を突いてやるのも忘れない。 「ふぇ、大きっ、の、やぁあッ!」 「っあまり、煽らないで下さい…!」 「やぁあっだめっ、ぁはあぁぁっ!」 彼がびくんと痙攣する。おそらく中で軽くイったのだろう。性器に触れていないため、射精を伴ってはいない。 イってびくびく震える彼の性器を掴み、敏感な先端を親指でぐりぐりと擦ってやる。勿論穿つ腰の動きは止めず、おまけに乳首を甘噛みしてやった。 「!ぃあっあぁああ――ッ!」 「……っ、」 ぐんと仰け反った彼が勢いよく射精し、それに伴う締め付けに僕の方も堪え切れずに精を吐き出した。 射精後の空しさなんて全く無く、ただ充足感だけが僕の心を満たしていく。 無理をさせたことを詫びるように、優しく彼の頬を撫でてやる。と。 「ぁ、なかっ、あつい…っ、」 ぷちん。 せっかく治まりかけていた熱が、ものすごい勢いで再燃するのが分かった。 中で再度性器が膨らむのに、彼が目を見開いて身体を捩った。 「!ゃ、なんでまたっ、おっき、」 「っ貴方の所為です!」 「この馬鹿っぁああッ!やっ、やだぁっ、ばに、ばーな…っ!っふぁあんっ!」 おじさん開発作戦 100611 ――――――― おじさん絶対乳首弱い。 |