▼11/06/07(22:24) |
・フレレイ 「レイヴンさんっ!!?」 崩れ落ちる身体を受け止めてみて、その身体が異常な程熱を放っているのが分かった。普段体温の低い彼だから、余計に驚きは強い。 けれど、何より驚いたのは自分自身に対してだ。耳元で苦しげな荒い呼吸が繰り返されているというのに、縋るように掴まれた腕や、くたりと弛緩した身体の重みが嬉しいなんて、どうかしてる。 一瞬頭を過った邪な考えを振り払い、汗で張りついた前髪を掻き上げてやる。現れた瞳は涙にも欲にも濡れていて、緩慢に瞬くそれから目が放せなくなった。 彼の手にぐっと力が込もる。 「フレ、ン……っ、」 今にも泣き出しそうなその表情に見惚れている間に、何故か押し倒されているような格好にされる。 見上げた先の彼は、ぞっとする程艶やかだった。 「たの、む…っ、俺のこと、めちゃ、く、ちゃに、して…っ」 ――――――― 最後の一言をおっさんに言わせたかっただけだなんてそんなそんな。 一服盛られて発情しちゃったおっさんが我慢出来ずにフレンちゃん(実はおっさんが好き)を襲ってしまうの図。 |
▼11/06/01(18:45) |
・レイリタレイ←ユリ+フレ ・叔父姪居候シリーズ 『きょうのみかい おそくなる\(^O^)/』 とメールが来ていたのが20時。 全文平仮名に意味の分からない顔文字まで付いていることから察するに、既に結構酔っ払っているのではなかろうか。 「はぁ」 現在23時52分。もうすぐ日付が変わろうとしている。 無駄に大きなソファーにぼふんと腰掛け、ばたんと倒れて寝転がり、リタはぼーっと天井を見上げた。 あの男はあれで案外人の好い所があるから、誘われれば断れないのだろう。大人の付き合いというものも大事だろうし、別に不満な訳ではない。 けど、このもやもやは何だろう。 「うー」 ごろんと寝返りを打ち、丸まる。睡魔が近付いてきた気配がするが、どうにも眠る気にはなれなかった。けど意思に反して瞼は重くなっていく。 そんな中、間抜けなチャイムの音がリタを一気に覚醒させた。 「りたっち〜ただいまぁ〜」 「げっ、酒くさっ!重っ!」 いつもに輪をかけてへらへらしたレイヴンが、玄関を開くと同時に抱きつくように倒れこんで来る。小柄なリタが成人男性を受け止められる筈もなく、玄関で尻餅をつく羽目になった。 むにゃむにゃと訳の分からないことをレイヴンが言っている中、リタは玄関に立つ二人の青年に気付く。スーツ姿がまだ馴染んでいない感じがして、新入社員だろうかとリタは思った。 リタの視線に気付き、金髪の物腰柔らかそうな方が笑みを浮かべる。 「夜分遅くにすみません。レイヴンさんの部下のフレン・シーフォと申します。こっちは同期のユーリ。」 「ユーリ・ローウェル。このおっさんがすっかり酔っ払っちまったから、送ってきたんだけど」 「ユーリ!その口調をどうにか、」 「あーはいはい。分かった分かった」 とりあえず正反対な青年たちだということは分かった。のしかかってきているレイヴンを無理矢理に退かし、送り届けてくれたことに礼を言う。 すると金髪の方はにこやかに笑いながら、黒髪の方はぶっきらぼうな調子で、「どういたしまして」と言った。 しかし二人の様子がどこかおかしい。どことなくそわそわしているような、心配しているような。 「…………恋人、ってことはねぇよな。随分小さいし」 「……多分。」 ぼそぼそと青年二人が会話する。それによって彼らの想いが理解出来てしまい、リタは自分でもよく分からない感情に猛烈に駆られた。 「いつも“父”がお世話になってます。じゃ!」 そう一息で言ってばたんと扉を閉めてしまう。最後にぽかんと間抜けな顔をした青年二人が見えた。 何でそんな嘘を吐いてしまったのか分からないが、気分はすこぶる良い。レイヴンの寝息と寝言だけが聞こえる静かな夜長、しばらくしてから青年二人の叫び声が辺りに響き渡った。 「近所迷惑…」 ――――――― 出ました新入社員!リタっちの牽制球が剛速球過ぎますね(笑) なぜかノマカプの男の方が男にもてるという図式が好きです。 |
▼11/05/29(19:49) |
・レイリタレイ ・叔父姪居候シリーズ ご飯に味噌汁、野菜炒めに唐揚げ。多少焦げたり塩辛かったりはするものの、一人の頃はどうしても簡単に済ませがちだったのもあり、こういう家庭の匂いがする食事はすごく嬉しい。更にこれを作ってくれたのが小さな頃から成長を見てきたかわいい姪っ子だというのもものすごく嬉しい。 そんな気持ちが顔に出ていたのか、リタがこちらを訝しげに見つめてくる。 「何にやにやしてんの。」 成長してつんけんした物言いをするようになってしまったものの、優しい心根はずっと変わっていないと思う。 本当にいい子に育ってくれたものだ、と父親顔負けの気分で彼女の手料理に舌鼓を打っていたその時。 「ねぇ」 呼び掛けられてリタの方を向くと、少食の彼女は既に箸を置いていて、躊躇いがちに何かを言おうとしている。 「どしたの?」 目で微笑んで柔らかく促してやると、リタが顔を上げる。昔から変わらない深緑のつり目と目が合った。 「あの、さ………」 「?」 「………迷惑じゃ、ない?あたし此処に居て。」 ぱちくり、思わず目を瞬かせる。 リタの目は真剣だった。 「……な、なんで?」 「…………だって、あんただっていい歳なんだし…その、あっあたしが居たら邪魔な時とかあるでしょ?……こ、恋人とか、そーいうの…」 尻すぼみにだんだんとリタの声が小さくなっていくが、二人しかいないリビングでは何とか聞き取れた。 思ってもみないことを言われたことにびっくりし、思わず目を丸くする。驚きのあまり何も言えずにいたのをどう勘違いしたのか知らないが、リタがこう言い始める。 「べっ別にあたしのことは気にしなくてもいいから…きっと父さんが無理に頼んだんでしょ?あたしは一人暮らしでも何でもするから、あんたはまた好きなように、」 「ち、ちょーーっと待った!!!」 どうしてこうなった! 混乱の勢いのままにするすると言葉が口から出ていってしまう。 「恋人いないし!こうやってご飯作っててくれるの嬉しいし、お、おかえりとかただいまとか言ってくれるのすっごい嬉しいし……って何か余計なこと言ってる気がするけど………いや、とにかく!」 此処に居てよ。 そう言うとしばらく間があってから、リタが目を反らして「食事の時は座りなさいよ」とぽそりと呟いた。そう言われていつの間にか立ち上がっていたことに気付き、恥ずかしさに顔がかあぁと熱くなっていく。 しかしテーブルの向かい側にも同じような症状に苦しんでいる少女がいて、思わず笑った。 ――――――― レイリタレイはあはあレイリタレイはあはあレイリタレイはあはあ。 |
▼11/05/28(22:12) |
・ユリレイ ぽふ、 と後ろから頭に手が置かれる。 何かと思って振り向きざまに見上げると、ぼーっと前を見ている青年のお綺麗な顔。 少しして見上げられているのに気付いたらしく、青年が驚いたように目を大きくする。 「あ、悪い」 そう言って青年が気まずそうに手を引っ込める。その表情は彼にしては珍しく幼かった。 無意識だったのだろうか?それにしてもこんな中年の頭を撫でるとはどういうことだろうか? ……それともただ単に高身長を自慢したいだけだったり?だったら殴る。力一杯殴る。 「青年」 「?」 「殴っていい?」 「は!?」 ――――――― 被害妄想の激しいおっさん(笑) 青年はおっさん大好き過ぎて悶々としてた所にふわっふわちょんまげ揺らしながら歩いてる天使が見えて無意識にもふもふしてしまったのだと思います。多分この青年童貞。 |
▼11/05/28(17:33) |
・レイリタレイ ・↓の叔父姪居候設定 「はー、ちっちゃい。」 可愛らしいピンク地にうさぎや花の絵が付いたアルバムを開き、レイヴンは懐かしげに嘆息した。 このアルバムはもちろんついこの間から同居することになった少女のもので、彼女の父である双子の兄の生真面目な性格通り、多くの写真が日付順に整然と並んでいる。 小さな口、鼻、手のひら、爪。それに深緑色のややつり気味の瞳。 ついこの間見たようでいてとても懐かしいその姿に、自然と笑みがこぼれる。 (……そういや、俺が遊び行くと俺んとこばっか引っ付いて来てたっけ。) それを見て兄は落ち込んでいたが、フォローするこちらの気も知らないで、彼女はひたすら『れーぶ、れーぶ』と俺の名前を呼んでいた。それがかわいいのなんのって。 「何にやついてんのよ、おっさん」 「うぉ、リタっち。」 小脇に難しげな本を何冊か抱えた噂の彼女がひょっこりと現れる。 少し寝癖のついた髪に、ラフな部屋着姿。ショートパンツから伸びる真っ直ぐな脚がまぶしい。 本当に大きくなったな、と思う。 「げ、何勝手に人のアルバム見てんの」 「やー、懐かしいな〜って思ってね。ほらこれとか、リタっちが俺のこと離さなくってさぁ、シュヴァーンが嫉妬しちゃってもう大変、」 「だああぁぁぁっ、なっ何かの間違い!あり得ない!意味分かんない!」 「………そんな力強く否定されたらおっさん傷つくよ…」 ――――――― シュヴァーンがかわいそうだ(笑) 伯父姪居候シリーズ(我ながらひどいネーミングセンスだ…>でのおっさんの職業を何にしようか迷ってます。うわさのはみ出し教師でもいいんですが、普通のリーマンでもいい気がするし、フリーのライターとかでずっと家に居るのも捨てがたい気がする。うーん。 |