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『・・え?』
突然解放された自分の腕に、驚きを覚える。
「?なんだよ、外してほしかったんじゃないのか?」
『ゃ、そうです・・・けど。』
え??何故解放した?
だって、私逃げれちゃうんだよ??
もちろん嬉しいけど、なんか変じゃない?
てか、逃がしてくれるくらいならつけんなよ。
調子狂うなぁ、この人・・・
なんか、ルフィを思いだす。
『・・・逃げて良いんですか?』
「別に。どこへでも行け。ただし、白ひげんとこ向かったらどこまででも捕まえに行ってやる。」
『・・・ぁ。やっぱり?』
「当たり前だろ、ばーか。」
先ほどまでの緊張がとけた空気。
シャンクスも、レンでさえも笑っている。
『でも、船長さん、私行くとこ無いんです。』
「おれぁシャンクスだ。行くとこ、ねぇ・・・」
『そうなんです、友達いないし。だから、親父さんのとこ帰りたいなぁ・・・?って。』
「だからそれは駄目だっつってんだろ。」
『むーっ』
つい数分前までの敵意むき出しで威嚇しあっていた二人では想像もつかないような会話。
笑顔で、楽しそうに話している。
まわりのクルーたちも、その親子のような二人をほほえましく感じていた。
『ところで、何なんですか?・・・私の存在が白ひげ海賊団を滅ぼすって・・・』
真剣な眼差し。
レンの表情を見てシャンクスからも笑みが消える。
「・・・あんま言う気はなかったんだけどな・・・、
レン、お前はピカピカの実の能力者じゃねぇ。」
『・・・ぇ?』
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