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周りで見ていたクルーたちも思わず言葉を失う。
「っ・・・くそぉエースの野郎!!!」
「レンーーーー!!!!!」
『はぃ?』
クルリと自分の名前に反応して振り返ったレン。
それに期待したクルーたちは口々に叫びだす。
「俺もお前が大切だーー!!!」
「好きだ、レンー!!!!」
「いや、俺のほうが!!!!!」
『・・・!』
満面の笑顔で走り寄ったレンは、一人ずつ額やら頬やらにキスを落とす。
それを見ていたエースはといえば、
ひどい落ち込み様なわけで。
「(
俺だけじゃねぇのかよ!!!!!!!)」
一通りクルーたちを悩殺したレンは、とてとてとある男のもとへ。
それは、
エドワード・ニューゲート。『・・・親父さんは、私のこと邪魔じゃないですか・・・?』
「グラララ!当たり前だ、大切な娘だからな
誰にも嫁にやる気はねぇよ。」
『!ありがと、親父さん!私も親父さん大好きー!!』
ぎゅ、と白ひげに飛びつくレン。
彼女に恐いものなど一つも無い。
仲間が、彼女を必要としてくれる限り。
ーーーーーーーーーーーー
天気は晴れ。
雲の無い晴れ渡った綺麗な空が広がる。
あの後、さんざん暴れたレンは一日ぐっすりと眠り、元気をとりもどした。
『おはようございます!みんなっ!!』
「「「「「・・・おう。///」」」」」
『?』
しかし問題が唯一つ。
当の本人、レンには昨日の暴れまわった記憶がさらさらない。
しかし、あんな強烈な出来事をクルーたちが忘れるわけもなく、後に
《レンに薬を飲ませるな》
という教訓が言い継がれていく。
ーーーーーーーーーーー
そして、一晩あけて、冷静になったクルーたち。
「なあ、さりげなく思ったけどよ。
誰もレンを手に入れることなんて出来ねえんじゃねぇのか?」
「ああ、俺も思った。;;」
「何でだよ?」
訳が分からないというふうに会話に入ってきたのはエース。
「馬鹿、お前聞いてなかったのか?親父の言葉。」
「親父?」
「ああ。」
昨日、親父がレンに言った言葉。
誰にも嫁にやる気はねぇよ。「親父の許可が絶対におりねえ。」
「・・・ちくしょ・・・・・・;」
今日は平和な一日が始まりますように。
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