01

「あの化け物、遂には子供を襲ったそうよ」



「全く、恐ろしいわ…」



「早く取っ捕まえなければ次誰が被害にあうか分からんぞ!」





口々に囁きあう人々。


ここ、村にある料理屋でもその話題は持ち切りだった。




バンッッ






突然、店の扉が勢い良く開けられ、騒いでいた客達も目を向けた。



そこには、上半身が裸で、オレンジ色のテンガロンハットを被った青年が俯いて立っていた。




妙な威圧感に、店中が押し黙る。




すると、青年が口を開いた。




「…肉、くれ!!!」














青年は席に着くと物凄い勢いで食べ始めた。


驚くように村の客達が見ている。


「坊主、お前気持ち良く食うやつだな!名前何て言う?」




声をかけてきたのは、その料理店の店主。



「あ?……エース。」




「そうか、エース!まけてやるからたんと食えよ!!」





「……あぁ。」





海賊である自分の名前を名乗ることに少し躊躇ったが、名前を聞いても周りの反応は変わらなかった。



村人達も、話題は戻り、化け物について再び話しだす。







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