5月の瑛主



「はあ……」
「瑛くんどうしたの、ため息なんかついて。五月病?」
「誰が五月病だ。そんなんじゃないよ」
「じゃあ、何かあったの?」
「バイトのシフト。連休あるだろ」
「ゴールデン・ウィークだね! あれれシフトまだ決まってないの?」
「……決まってたんだけど、急に欠員が……」
「あらら……」
「五月の連休なんて書き入れ時なのに、ああもう……」
「わたしで良ければお手伝いするよ?」
「えっ」
「……わたしで良ければお手伝いするよ?」
「いいのか? 連休だぞ? 休み中ずっとバイトだぞ?」
「だから、いいよ。それともわたしだと役不足?」
「いや、助かる。本当に」
「わーいマスターさんのケーキ〜♪」
「狙いはそれか」
「ぎくり」
「でも、いいよ。ホント助かる。頼むな」
「うん、頼まれた! 水着エプロン……にはまだ早いよね? 何がいいかなあ……あっ、メイド服とか?」
「いや普通の制服でいいから」
「そうなの?」
「今回は海の家じゃなく、通常営業の珊瑚礁だから。メイド服とか来てたら浮くだろ」
「瑛くんのことだから『女子高生のメイド服が珊瑚礁に与える経済的効果を〜』とか言うと思ったのに……」
「何で微妙にガッカリしてんだよ。兎に角、ゴールデン・ウィークは手伝い頼むな。じいちゃんにも相談するから、あとで連絡する」
「うん、書き入れ時がんばろうね!」
「ああ」
「(瑛くん、うれしそう……。手伝うって言って良かったな」)」




web clap:2013.05.01~site:07.13
*五月の(というかGW前哨戦な)瑛主でした。佐伯さんが嬉しそうなのは、バイト助かったというのと、あと無意識にGW中デイジーと一緒なのが嬉しいとかだとこっちが嬉しいです。

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