僕のトナカイ


(*多分まだ友好ップルな二人)



「街がクリスマス一色だね」
「もう12月だしな」
「ワクワクするね!」
「……はいはい」
「ねえねえ、瑛くん」
「何だよ改まって」
「クリスマスといえば……」
「……何だよ?」
「と、いえば〜?」
「…………トナカイ?」
「何でトナカイなの?」
「あるだろ。赤っ鼻のトナカイ」
「…………みんなの人気者の?」
「そう、それ」
「ふぅん……」
「おまえもまさに鼻が赤いな」
「これは、寒いからだよ!」
「道案内は頼んだ、トナカイ」
「トナカイじゃないよ! もう、クリスマスといえば、ケーキだよ!」
「何かと思ったら、結局食い気か……」
「違うもん!」
「違わないだろ、食いしん坊万歳」
「く、食いしん坊じゃないもん。クリスマスのケーキには夢が詰まってるんだよ。……はあ、今年のクリスマスケーキはどんなのがいいかな……楽しみだな……」
「…………あのな」
「ん、何?」
「クリスマスのケーキは一年で一番うまくない。断言してもいい」
「どうしてそういう夢を砕くようなこと言うの!?」
「嘘じゃない。厳然たる事実だ」
「どういうこと?」
「ケーキ屋になったつもりで考えてみろ。おまえみたいな人間がクリスマス当日一斉にケーキ屋へ殺到するだろ。クリスマスは、ケーキ屋にとって書き入れ時だし、一年で一番忙しい日だ。現実問題、質より量を優先しなきゃ回らないだろ。つまり単純に言って、クリスマスは一年で一番ケーキの出来が雑になる。分かったか?」
「………………ゆ、夢がないよぉ!」
「うまいケーキが食べたかったら、普段日にケーキ屋に行きなさい」
「それじゃ意味がないんだよ。クリスマスに食べるケーキだから、意味があるんだよ」
「…………だったら、さ」
「ん?」
「うちでアルバイトしたらいいだろ」
「へ?」
「クリスマスの臨時バイト。今ならトナカイの衣装とクリスマスケーキつき」
「珊瑚礁の、クリスマスケーキ?」
「そう」
「………………」
「言っとくけど、じいちゃんのクリスマスケーキはうまいぞ」
「…………や、」
「や?」
「……やります」
「よく言った。流石、食いしん坊万歳」
「違うもん! 食いしん坊じゃないもん!」
「どうだか。……まあでも、真面目な話、助かるよ。ケーキ屋じゃないけど、クリスマスって書きいれ時なんだ」
「うん、わたしでよかったら、手伝うよ」
「うん、頼んだ、トナカイ」
「トナカイじゃないもん!」




wep clap:12.12.02~site:12.12.26
(君は僕のトナカイ)
*まとまらないまま終わるよ。
*赤っ鼻のトナカイはサンタさんにとっての目印、かけがいのない光でしたが、佐伯さんにとってのデイジも大事な光、灯りでしたね! だからトナカイなんだね、きっと!(こじつけすさまじいですー)

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