お正月の瑛主


「佐伯くん、あけましておめでとう!」
「おめでとう」
「本年もよろしくお願いします」
「ああ、よろしくな」
「……と、新年のご挨拶も済んだところで」
「何だよ?」
「お正月の遊びと言えば、これ! じゃーん! 羽突きしようよ!」
「やらない」
「えー? しようぜー!」
「何度言ったって、やらないから。大体、羽突きなんて女子の遊びだろ」
「佐伯くんの亭主関白ー」
「ち、違うだろっ! 用法間違ってるぞ!」
「そう?」
「そう。この場合、男尊女卑とか、だろ。て、亭主とか、早すぎだろ……!」
「??(佐伯くん、顔赤いなあ。どうしたんだろう?)」
「……ああもう、何言ってんだ、俺。折角、振袖のこと、褒めようと思ってたのに……何でこんな話題になってんだ……」
「佐伯くん? 何か言った?」
「何でもないよ、バカ!」
「?? そう? ……うーん、それにしても残念だなあ! 折角、羽子板も、罰ゲーム用の墨も筆も用意してきたのに!」
「おまえって無駄に行動力あるよなあ」
「まあね!」
「いや、褒めてない」
「あ、分かった」
「何だよ?」
「佐伯くん、羽突き出来ないんだぁ。それでやりたくないんだぁ」
「………………」
「女の子の遊びだ〜とか言ってバカにしてたけど、なぁんだ、そういう理由かぁ〜」
「待て」
「なあに?」
「誰が出来ないだと…………いいだろう、受けて立ってやる!」
「こっちの台詞だよ!(やったね、計算どおり!)」

 ・
 ・
 ・

「…………うう」
「ゲームセット、勝負あり。悪いな、俺の勝ちだ」
「う〜〜〜〜、佐伯くん、本気出し過ぎだよぉ……」
「どんな勝負も手は抜かない。それが、俺流……」
「うう、悔しいなあ……」
「観念しろ。おまえの負けだ」
「分かったよ……はい、じゃあ、どうぞ」
「? どうぞって?」
「イタズラ書き、していいよ。罰ゲーム」
「い、イタズラ書き!?」
「筆があるでしょ。顔に何でもイタズラ書きしていいから」
「な、何でもって……」
「あっ、でも一か所だけね! ひと勝負につき、イタズラ書き一個だからね!」
「いや、でも……」
「さあ、どうぞ! 思い切り書いてくれていいよ!」
「………………」
「………………」
「じゃあ、目、瞑って」
「? うん、分かったよ」
「……そのまま、閉じてて」
「う、うん?」
「………………」
「………………」
「………………」
「…………さ、佐伯、くん」
「…………何?」
「あ、あの、何か、明らかに筆じゃないものが、当たったような……しかも、唇に」
「罰ゲーム、なんだろ?」
「イタズラ書きって、言ったのに〜〜〜〜!」
「筆でイタズラ書きされるより、よっぽどマシだろ!」
「〜〜〜〜〜! 次こそ負けないから! 額に肉って書いてやるから!」
「言ったな? 返り打ちにしてやる!」
「こっちの台詞だよ!」
「いいだろう、かかってこい!」



web clap:2012.01.01~site:12.01.05
*以下、エンドレス。
*あけましておめでとうございます。
*今年も仲良し瑛主を愛で尽したい所存です。

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