添い寝する瑛主


1、初々しい二人の添い寝。

「じゃ、おやすみ」
「うん、おやすみ」
「……………………」
「……あのね、瑛くん」
「…………何?」
「……一緒に寝てもいい、かな?」
「…………は?」
「その……瑛くんのお布団で一緒に寝ても、いい?」
「えっ? そ、それは……ちょっと…………」
「……ダメ?」
「え、いや、ダメじゃない、けど……」
「けど?」
「つーか、い、いいの?」
「うん」
「(マジか!)……ああ、そう……そっか……うん、一緒に寝るか」
「やったあ」
「やったあって、おまえ…………そんな嬉しいの?」
「うん」
「……ふうん」
「今日寒いから、一緒に寝たら、寒くないよね」
「そういう理由な。なるほど、ときめいた俺がバカだったよ」
「えっ、どういうこと?」
「何でもないよ。ほら、寝るぞ」
「うん!」

 ・
 ・
 ・

「ちょっと狭いね」
「ああ、そうだな(ちょっとどころか大分近いし!)」
「でも、あったかい」
「そうだな……(むしろ熱い)」
「えへへ」
「何、ニヤニヤしてんだよ」
「何だか、楽しい」
「…………人の気も知らないで」
「えっ? 何?」
「何でもない。寝るぞ」
「うん、おやすみなさい」
「……おまえ、枕足りてる?」
「枕? あ、大丈夫だよ。特に無くても……」
「首痛くなるだろ。もっとこっち…………って、ダメだ。俺が耐えられない」
「?」
「…………その、う、腕枕、する?」
「えっ」
「……いや! いやなら、いいけど……!」
「ううん! イヤじゃないよ。いいの?」
「……いいよ」
「じゃあ、お願いします」
「……うん。じゃあ、どうぞ」
「うん、宜しくお願いします」
「…………どう?」
「うーん、ちょっとバランスが取りにくいね」
「おまえは実に正直者だな」
「うーん……あ、ここだと安定するかも!」
「(近いし!)」
「瑛くん、腕、痛くない?」
「いや、平気」
「このまま寝てもいいの?」
「……いいよ」
「ありがとう。寝やすくなったよ」
「そっか。良かったな」
「うん。瑛くん、おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
「いい夢、見れるといいね?」
「…………まあ、寝れる気がしないんだけどな」
「えっ、何?」
「何でもない。おやすみ」

 ・
 ・
 ・

「…………本気で寝てるなあ、こいつ……いいよなあ、精神が丈夫なヤツは……」
「…………うーん……イワシ…………」
「どういう夢見てんだ……」
「塩焼き…………」
「俺は刺身がいいな、じゃなくて! ったく………………寝顔は、かわいい、よな……」
「………………」
「………………おやすみ」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………〜〜〜〜〜〜(瑛くん、いま、キス、した……!)」


(実は起きてました、的な^^!)
(初々しい二人は可愛いね全く!)




2、ちょっと慣れてきた二人の添い寝。

「瑛くん瑛くん、そろそろ起きよう?」
「……………………いま、何時?」
「6時30分」
「…………あと、5分……」
「30分前もそう言ってたよ!」
「…………そうだっけ?」
「そうだよ! 起きようよ〜! 今日は一緒にお出かけする約束だったでしょ?」
「まだ早いから大丈夫だよ。それより、あんま動くなよ。抱き心地悪い……」
「…………起きようって、言ってるのに〜〜〜〜!」
「動くな、抱き枕」
「抱き枕じゃ、ありません! えい!」
「わはっ! くすぐるのは、卑怯だぞ!」
「いけないのは、瑛くんでしょ! 起きようって言ってるのに!」
「おまえ……やられたら、やり返されるってこと、分かってないな?」
「えっ、何? や、ヤダ……! やめて!」
「こら、逃げんな」
「や〜だ〜! や、やはははははは!!!!」
「どうだ、思い知ったか」
「も、もう! えい!」
「ちょ、やり返すな!」


(以下、エンドレス)
(このままじゃれあって、朝のイチャイチャに発展するかもですね)
(本当に、すみませんでした)




3、添い寝旦那的添い寝。

「………………」
「…………何か、あった?」
「…………何でもない」
「何でもなくないだろ。変な顔してる」
「どうせ変な顔だもん……」
「そういう意味じゃなくってだな……なあ、こっち向けよ」
「変な顔してるから、ヤダ」
「……だから、そうじゃなくて……」
「…………………」
「……何か、ヤなことあったんだろ?」
「…………………」
「何があったかは知らないけど……」
「…………………」
「でも俺、知ってるよ。おまえ、ここんとこ、ずっと頑張ってたろ」
「…………………」
「…………あのさ。頑張っても上手くいかないときって、あるよな」
「…………………」
「今はすごい凹んでるかもしれないけど…………でも俺はおまえのこと、応援してるから」
「…………………」
「おまえが頑張ってること、誰よりも傍で分かってるから」
「…………………」
「その、一緒にいて、支えるから」
「…………………」
「だから、元気出せよ」
「………………………瑛、くん」
「…………なに?」
「…………ちょっと、元気出た、かも」
「…………うん。なら、良かった」
「……元気が出たら、お腹空いたかも」
「夕飯、『いらない』って言って、食わなかったしな。何か食べるか? 温めるのなら、すぐだから……」
「ううん。もう夜だから……でも、何か温かい飲み物が飲みたいな」
「そうだな。何がいい?」
「ホットココアかホットミルクがいいな」
「夜だからホットミルクにするか。ちょっと待ってろ」
「瑛くん、ごめんね」
「謝んなよ。謝られたい訳じゃない」
「うん…………ありがとう」
「うん……。じゃ、ちょっと待ってろ」
「ねえ、手伝うよ」
「いいよ、今日は」
「今日は、って?」
「貸し1つな。俺が凹んでる時に返済って形で」
「返せる自信がないよ……」
「せいぜい頑張れ。…………何てな」
「?」
「おまえはいつも俺のこと励ましてくれてるし、支えてくれてるよ」
「瑛くん…………」
「おまえのニヤニヤ顔見てると、イヤでも元気が出るっていうか」
「もう、何それ!」
「…………うん。やっぱ、おまえはそうやって笑ってるのが、いいよ」



(デイジーの笑顔が何よりのお礼ですよきっと)
(いくら余裕が出てきて包容力があっても、添い寝旦那ほど優しくは無い感じになりましたたたt)



11.12.10
以上、
1、初々しい添い寝(佐伯くんのドキドキMAX頼むよ耐えられないんだ!ver.)
2、ちょっと慣れてきた添い寝(ぴったんこがデフォルト、というか抱き枕?ver.)
3、大人な添い寝(っタイトルーーー!瑛くんが包容力あるver.)
の三本でした。

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