真夏のバカップル


「……あっつ〜〜〜〜」
「佐伯くーん!」
「おまえはいつでもどこでも元気いっぱいだな」
「アイス買ってきたよ! 一緒に食べよう」
「へえ。何買って来たんだ?」
「パ○コとソーダアイス。どっちがいい?」
「いや、どっちがって、いうか……」
「えっ?」
「えっ?」
「えっ?」
「いや、『えっ』て何その反応。これ、どっちも二人で分けられるヤツだろ? どっちがいいも何もないじゃん」
「えっ?」
「えっ、そういう意味じゃないの?」
「…………」
「…………」
「……あっ、そっか!」
「うわ素ボケか」
「じゃあ、半分こね! 溶けちゃうから早く食べよう、そうしよう!」
「静かに割れよ、ソーダのヤツ」
「言われなくても、そうしますぅ〜。あっ」
「あーあ、やると思った。ある意味すごいな」(超不均等に割れた感じ)
「…………佐伯くん、大きく割れた方、食べていいよっ!」
「いや、そんな断腸の思いみたいな顔で言われても……」
「いいから!」
「無理すんなって。おまえが食べろよ」
「いいから〜」
「あっ」
「…………っ!」
「……ぶふっ!」
「……なんで笑うの〜!?」
「いやだって、おまえ、この世の終わりみたいな顔してた、今……!」
「だって、アイス落ちちゃったんだもん……!」
「新しいの買ってやるから、そんな顔すんなって。つーか、落ちてない方、食えよ」
「小さい方は無事だったんだね……」
「また落とさないうちに食べろよ」
「うーん……そうだ! これ、半分こする?」
「……どうやって?」
「わたしが先に食べて、残りを佐伯くんが」
「いや駄目だろ!」
「えっ、なんで?」
「いや駄目だろ、フツーに考えて!」
「え〜。じゃあ、佐伯くんが先に食べて、わたしが残りを食べるのは?」
「…………それも、ダメ」
「え〜?」
「いいから、おまえが食べろよ。……どう考えてもダメだろ、間接むにゃむにゃ……なんて……」
「?」




2011.08.05
*終わっとくね!
*佐伯くんどんだけ純情さんなんですかっていうレベルですね、これ。

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