「あかり〜、アンタ来週の日曜空いてる?」
「ごめんね、西本さん、来週はちょっと……」
「なんや、先約があるんか」
「ごめんね……」
「ううん、気にせんといて」
「どうしたの、二人とも難しい顔して」
「あ、ひそかっち! 丁度良かった、日曜空いてへん?」
「そうねぇ……用事はないけど」
「ケーキバイキング行かへん?」
「あら素敵ね。あかりさんも行くのかしら」
「ううん、ちょっと用事があるの」
「やて」
「あらそうなの……」
「行きたいのは山々なんだけど……」
「そうかしら?」
「え?」
「“先約”も大切な約束なんじゃないかしら?」
「え? なになに? 意味深発言!?」
「ち、違うよ! ホント、ただの……」
「ただの?」
「……の?」
「……わ、分かんない……」
「やーん、この子ったら真っ赤になって! なになに? デート? デートやろ!?」
「に、西本さん、声が大きいよ!」
「ふふっ、デートのお相手は誰かしら?」
「み、水島さんまで……」
「そういえばアンタ、サエキックと付き合うことになったとか言ってへんかった?」
「あら、そうだったの?」
「うん、先週の頭くらいに。まさかアレ本当やったん?」
「………………し」
「し?」
「知らない……!」
「あ、ちょ、あかり!?」
「ごめんわたし先に帰るね……!」
「…………あらら」
「アタシの聞き間違いだったやろか……」
「どうかしら。でも……」
「でも?」
「前よりは、よっぽど“らしい”気がするわ。二人とも。ついこのあいだまでは子犬がじゃれついてるみたいだったもの」
「…………なになになに、ひそかっち何か知ってるん? 意味深発言過ぎなんやけど!?」
「ふふっ!」







(おしまい!)
*そんなこんなで、ようやく“恋人らしい”一歩を踏み出した二人でございます。
*最後までお付き合い下さりありがとうございました。


2013.04.17


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