身体がだるい。頭に鉛を乗せられたような重さ。喉が痛くて何かを口にする気力すらない。思考回路も上手く定まらない。風邪を引いてしまった。

最近自分の身体の管理がほどよく通っていなかった。ここ最近は希に夜遅く指令を出されることもあった。それはしょうがない。誰のせいでもない、私がいけないことだ。体調管理もできなくてはまだまだ私も半人前という証拠。きっとこれじゃあノヴァ辺りに怒られちゃうなと苦笑する。

ふと窓の外を見た。外には白い小さな結晶達の塊が空から降っていた。今年はホワイトクリスマスなんだ…。今すぐに外に飛び出して雪を触りたい。けれど今の私の身体の状態は風邪の身。無闇に身体を動かしては疲労に繋がり体調も悪化せざるを得ない。ここはぐっと遊びたい気持ちを抑えて無理矢理に睡魔を叩き起こし目を瞑った。

それから何時間寝たのだろう。目を覚ました時には色々と変化が起きていた。
一つ目は身体の怠さや頭痛が引いたこと。二つ目は何だか沢山のプレゼントが置いてあったこと。三つ目はアッシュが私のそばで寝ながら手を繋いでいてくれたこと。

『…って何でアッシュがここにいるの!?』

私は驚きすぎてつい飛び起きてしまう。
当の本人はまだ夢の世界からの帰還をしておらず、優雅に寝息をたてていた。
私はため息をついて寝顔のアッシュに良心が傷む罪悪感と共にアッシュの身体を揺らした。

『アッシュ起きて』

漸くアッシュは目を半開きにしてむくりと起きた。
それから大きな欠伸を一つして「んだ…おきたのか…?」と未だに睡魔から抜け出せない目で私を見つめた。気付けば時計は夜中の三時を指していた。

『アッシュ、ずっと握っててくれたの?』

そう言うとアッシュはさも当然のように「あぁ…」と答えた。

『ご、ごめんなさい…迷惑かけ…っ!?』

ふと私の唇に人差し指を押し当てられ言い終わる前に遮られる。驚いてびくっと心臓が跳ねた。だって余りにも意外な行動をしたから。

「イチゴ頭が起きたら渡す物があったんだ。」

押さえてた指を離してポケットの中から小さな箱を取り出す。それはまるで指輪が入りそうなくらいのサイズで…って私何を想像してるんだろう。首を振ってからその箱をもう一度見つめた。

「これ…つまんねー物だけどよ。」

ん。とアッシュは私に差し出しす。私はそれを受け取って『中、見ていい?』と聞くとアッシュは当たり前だろ。と目を逸らしながら言う。照れてる…?その光景に微笑を浮かべてから箱の中身を開けた。中には小さな…クリスマスツリー?

「お前今年のツリーは見れなかったろ?だから、その…なんだ、」

もごもごと珍しく口ごもるアッシュにまたくすりと微笑を浮かべた。

『ありがとう、アッシュ。凄く嬉しい…!』

そう言ってにっこり微笑むと肩を押されてベッドに倒れる真上にはアッシュがいてかなりの至近距離。慌てふためく私とは裏腹にアッシュは余裕そうな顔。

「俺お前のそういう顔、嫌いじゃないぜ。」

そう言ったあとに唇を塞がれた。











手のひらサイズのクリスマスツリー




二人で見るツリーは特別に見えた。






(…ちょ、ちょっとアッシュ!風邪うつっちゃう…!!)
(あぁ?聞こえねぇなぁ)
(そんなこと言ってうつっても知らないから…)
(俺はそこまで柔じゃねーよ。)

その三日後に風邪を引いてしまうのはまた別のお話。






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フェスレガやっと終わっておまけシナリオ全部見終わったばかりのテンションで書いた結果です。
あー…夜中の2時30分だからでしょうか…文章がおかしい…
脱字いっぱいですみません…!多分また変えます…



2013.02.01