夜の肌寒さが頬を撫でて身震いをしていると聞きなれた声が背後で聞こえた。

「…誰かお探しかな?お嬢様。」

振り返ってみるとニヤリと怪しげな笑みを浮かべるジョーリィがいた。

『……う、うん。』

肯定するのに少しだけ時間がかかった。どうやら反射的に身構えてしまったらしい。
ジョーリィの身に纏う黒いオーラはどこか人を不安にさせる。何故だろう…?

『…アッシュを探しているの。』

夕飯を一緒にしたものの終わるとすぐに部屋から出ていってしまった。アッシュはすぐ何処かに行ってしまう、何だか今日は話してもどこか上の空だった気がする。

「アッシュならさっき書斎の方へ行ったよ。」

別の声がまた背後で聞こえて振り返ってみるとパーチェがニコニコと笑っていた。

『書斎?』

「うん、何かリンゴが何とかって言ってたよー」

リンゴ…?何だかため息をつきたくなった。

『ありがとう、パーチェ、ジョーリィ。行ってみる。』

「うん、じゃーね。お嬢。」

二人と別れて書斎へ向かう。アッシュ、何か企んでる…?そう考えていると気づけば無意識に走っていた。

『アッシュ!!!』

「あ?…なんだ、イチゴ頭じゃねぇか。そんな息切らしてどうした?」

書斎の中に入ると沢山の本が床や机に溢れ散らかっていた。アッシュの仕業?

『掃除しなきゃダメだよ。』

そう言って本を片付けようとした。部屋を汚した犯人は本と睨めっこしている。何を読んでるんだろう。ふいに持ってる本を見ると植物の絵が描かれていた。周りの本も全部植物らしい。

『植物でなにするの?』

「あぁ、ちょっとした雑学が読みたくてな。」

『雑学?』

それと植物とどう関係性があるのだろう。
疑問に思いながら本のページを開く。
そこには沢山の花の絵と文字があった。

『きれい。』

ぺらぺら捲れば捲る程、綺麗な花が沢山載っていた。私もアッシュの隣の席に座って読み始める。

『ねぇ、アッシュ…この花言葉って沢山あるの?』

「そりゃあな、例えば薔薇には色の違いで花言葉が変わってくる。赤なら愛。黄色なら嫉妬。白なら…」

『この花きれい…!』

「…最後まで聞けよ……。」

私達はそれから時間を忘れるくらい花言葉について調べた。
気づけば時計は12時を指していた。

『もうこんな時間…』

「あぁ…今日はここまでにするか…」

それから書斎を出て部屋に戻る。静寂な空間と月光が不思議な時間を作る。明日も晴れそう。
部屋に着いて『送ってくれてありがとう』と言った。するとアッシュは何故かリンゴとメモ用紙を渡した。私が首を傾げているとピシッと額に激痛が走る。

「いいから黙って寝ろ!いいか、フェリチータ。誰にも見せるなよ?」

こくりと頷いて中に入ろうとするといきなり手を捕まれ額にアッシュの唇が触れる。顔を真っ赤にしていると怪しい笑みを残しながら去っていった。

私は着替えてベッドに腰掛けるとアッシュがくれたメモ用紙を開いた。















最も美しい人へ






いつだって言わない癖にね、ずるいよ。
でも次は口頭で言わせてみせる。





(アッシュ!!)
(!…お前こんな時間に俺の部屋来るなよ!!)
(私、アッシュが言ってくれるまで帰らないから!)
(はぁ!?ふざけんな!!いいから帰れ!)
(いや!言って!!)
(〜…それじゃあメモに書いた意味ねぇじゃねぇか。)
(言って。)
(っ………綺麗だ。フェリチータ。)
(………今日はここに泊まる。)
(はぁ!?あ、おい、俺のベッド返せ!)




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あ、あれぇ…?甘くならない…むしろ苦い…
と言うか、なんでパーチェとジョーリィなんでしょうか。(((
設定上ではパーチェが日課の健康診断的なあれをジョーリィに報告してて欲しいなと思います(今思い付いた。)

アッシュさん、相変わらず迷子ですね。別人ごめんなさい…。文章力欲しいです。

因みに、リンゴの花言葉は最も美しい人へらしいです。この小説はこの事を言っています。
わかりずらいし長いしすみません…ちゃんと頑張ります。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


2012.10.16



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