そっと窓を開けると風が僕の頬を撫でた。
夕焼けの色が少し眩しくて目を細める。
少し深呼吸してから椅子に座ってピアノに触れた。
やはりピアノに触れると安心する。
薄く笑ってから鍵盤に指を置く。

最近は家の事を少しずつ受け入れるようになって、忙しい日々を過ごしていた。
それは自分を退屈させないような日々。
拒否はしない。今まで一番楽しい日々だった。
会長に会ってから何かが変わったと自分でも分かる。
変わったのは生活だけじゃない、自分自身も変わったんだと。心の中でそう確信しつつあった。

でも、それは少し欲張りすぎでは…?

そうふと思った瞬間扉が開く音がした。
はっとして見ると蒼衣さんが立っていた。


『ピアノの音がしたから、颯斗君かと思って。邪魔しちゃった?』


そう言って彼女は不安げに扉の前で止まった。


「いいえ、丁度終わる所だったので。」

『そっか、じゃあ聞いてもいいかな?』

「…はい。良いですよ。」


良かった。と彼女はホッとしてからニッコリと笑ってピアノの近くにあった椅子に腰掛けた。


「それじゃあ、何かリクエストとかありますか?」

『え?リクエスト…うーん…あんまりクラシックは分からないからなぁ…。何でもいいよ。』

「そうですか、分かりました。」


スッと息を吸ってからピアノに指を乗せてから奏でる。
この音はあなたにとってどう捕らえられるんでしょうか。
ピアノと僕と彼女だけの空間が居心地良いと思う事は少しだけ欲張り。
そんな気持ちに苦笑してからちらっと蒼衣さんを見ると僕に気づいたのかニッコリと微笑みかける、僕もそれに答えるようにニッコリと微笑んだ。
その時一瞬だけ彼女と僕が繋がっているのだとそう感じた。


『颯斗君、やっぱり上手だね。なんていう曲なの?』


曲が終わると彼女は拍手をしながら聞いてきた。


「曲の名前は…愛の夢という曲名です。」

『愛の夢…』

「僕この曲は好きなんですが、蒼衣さんは楽しんで頂けたでしょうか。」

『うん!良い曲だね。もっと颯斗君のピアノ聞きたいな。』


そう言う蒼衣さんの笑顔に心臓が跳ねた。
すくっと立ち上がるときょとんとした顔をする蒼衣さん。
全く少しは自分の危機感というものに気づいてほしい。


「これが終わったらまた沢山あなたの為にピアノを弾きます。」

『??』


くすっと笑ってから彼女に近づいてぎゅっと抱きしめてから額にキスをした。
























一緒にいる安心感





あなたがいると、僕は嫌なことから救われます。




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は、颯斗君…?ですか??
これ…ェ
ごめんなさい…颯斗君目指したんですが案の定迷子になりました。
日本語も迷子キャラも迷子…無能…orz
すいません…
意味不\(^q^)/

ありがとうございました。



2011.09.08