女なんかはなっから信じてないんだよ。そう女に告げるとヒステリックに泣き出して、何が嫌なの?美人じゃないから?お願いだから捨てないで。わんわん喧しくて敵わない。無視して部屋から出てくよう出口を指差した。二、三度抱いてやったら彼女面だ。こっちは付き合った覚えなんかない。こんな冴えない女を抱いてやっただけ有り難いと思ってくれ。この女の顔が何となく大嫌いだった母親に似ていたからだろうか、泣かせて傷つけて滅茶苦茶にしてやりたかったんだ。俺は小さい頃母親を殺した。大好きな妹を叩き付けて亡きものにした母親が許せなかった。あんな小さな子供が大人をよくもまあ殺せたものだと思う。もういい。妹は返ってこない。がむしゃらに筆を取って画用紙に塗りたくる。妹のいる天国を描くのだ。きっと俺はそこにはいけない。あの母親と同じ天国の向こう側に行くんだろう。数日後、見た目のまあまあよい知らない女が、私はあなたがこの間追い出した女だ。これなら付き合ってくれるでしょ?と迫ってきた。どこから嗅ぎ付けたのか、本当に女は全員信用ならない。その女もわんわん泣きながら出ていった。
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