散々、振り回して開けた炭酸水入りのペットボトルのように、私の感情は溢れだした。辺りにベタベタとした嫌な感触を残してそれは吐き出すだけ吐き出して止まった、というよりも中身が無くなったという表現が正しいだろう。私の感情をぶちかけられた恋人は苦笑いをして目を拭った、目にしみたんだろうか。炭酸水入りのペットボトルは一度、振り回してしまったら相当な時間をおかなければ開けてはいけないのだ。少しずつ開けて被害をやり過ごす手もあるけれど気の抜けた炭酸水なんて、誰も好いてはくれないじゃないか。私の恋人はただ一言、昨日は飲み過ぎたんだ、ごめんね。と謝った。このやり取りを5年は繰り返している。今じゃすっかり甘さ控えめの炭酸水になってしまった。
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