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なくなることなど考えず、ただひたすらにいろんなことを欲していた頃


かっこよくて優しい彼氏が欲しい。


それは16歳の女の子にとっては、とっても健全な欲望だったと思う。

それをかなえる手段を、私は他の人が取るような手段でなく、ドラゴンボールに叶えて貰おうとした。

まずそこからしておかしい、とウーロンに突っ込まれたことがあったが、神龍を前にしてとっさに出てくる願いがギャルのパンティーだったやつに言われたくはない。(しかもその願いは叶っているし。そういやあのパンティーはどうしてるんだろう)


結果的に、ドラゴンボールを探し願いを叶えて貰う、という目的の旅の中で、願いは叶った。

女の子が超苦手なくせに結婚にあこがれていた拳法の強い、かっこいい彼。
ヤムチャと、都に帰った。

自由な価値観を持った両親は、ヤムチャを快く受け入れてくれた。

結婚という手続きは取らなかったけど、私は彼と一緒に暮した。

いろんな冒険もしたし、その途中で修行に出た彼を待つこともあった。


ドラゴンボールの噂を聞きつけて、わざわざ宇宙から侵略してきたサイヤ人たちとも戦った。

その戦いで死んでしまったヤムチャを生き返らせたくて、宇宙にまでドラゴンボールを探しにも行った。


ドラゴンボールがあったからサイヤ人が来て、ヤムチャは殺された。

だからまたドラゴンボールを探しに行った。

考えてみれば、おかしな話よ。




それからの、ナメック星のドラゴンボール復活を待つ数ヶ月は、本当に平和だった。


孫君のお兄さんがやって来て、ベジータたちがやってきて、そしてナメック星に旅立って・・・。
そんな密度の濃い時間の後のこの平和は、少々平和すぎるくらいに感じた。


そう。平和だったのは、ヤムチャが生き返るまで。




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