龍馬×アーネスト。一目惚れ龍馬。












初めて見たときから、綺麗だ、と思った。

光を糸にしたような髪も、琥珀色の双眸も、すらりと伸びた肢体も、何もかもが。

果てしないように感じるあの海を越えた、遠い異国からやってきたものは、こんなにも美しいのか。そんな感動が身体をびりびりと揺さぶって、心臓が早鐘を打つ。

いや、この心臓かここまでうるさいのは、本当に感動だけが理由なのか。今まで、海を渡ったどんな宝飾品にも書物にも使節にも、ここまで胸を踊らせたことはあったか?
答えはもう、出ている。


「サトウ、俺はお前さんが、」

「待ってください。何ですかこの状況は。どうしていきなり貴方に壁に追いやられなければならないんですか。頭でも打ちましたか?」

「いーや待たない。ついでに頭も打っとらん。
俺はお前が好きだ、一目惚れだ!」

「あ、あなたがそんな馬鹿な方だとは思いませんでし、た。」

「嫌か?」

「普通、同性に言い寄られれば嫌、でしょう!」

「普通がどうとかを聞いてるんじゃねえ。・・・お前は、嫌か?」

「〜っ!・・・嫌だと思えないから、焦っているんですよ・・・!」

言うが早いか、薄く染まる白磁の肌。あまりに綺麗で眩暈が、しそうだ。

「お前さんはもう、俺のもんだ。なあ、いいだろ?」

こんなにも欲しい、と思ったんだ。手に入れずにはいられない。どうしても。

「・・・なら貴方だって、私のものですよ。」

照れを隠すように伏せられた長い睫毛。愛しさが溢れて、止まらなくて、もう。

大好きだ、愛してる、本当に。

そう伝えたかったけれど、それよりも先に動いた身体が自分と相手の唇を塞いだから、酸素が足りなくなるまでは我慢しようか。




暴走恋愛


(前方見えておりませんので、皆様どうか巻き込まれぬよう。)


110410

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