「俺は異人だなどと関係なく、お前が嫌いなんだ。」

その言葉を聞いた私の胸を震わせたのは、紛れも無い歓喜だったのだ。



酷く歪んだ、それでも恋



「これだからお前は、」
「だから、ですか?どうせそんな理由は後付けでしょう。適当なことをおっしゃらない方が良いですよ。」

素直に愛でられればいいのに、と思わない訳ではないのだけれど。それでも口をついて出るのは、彼を追い詰める言葉でしかなく。

…まあ、悪気はない、なんて到底言えやしないが。

「〜っ!、じゃあ、言い方を変えよう。」

負けず嫌いな彼が背伸びをして、私に食らいついてくるのは悪くない。

「俺は、お前のそういうところがーーー。」

そうやって、その唇が呪いの言葉を紡ぐのも、
下から睨みつけてくる燃えるような色の瞳も、
私と向かい合って、私に感情をぶつけるその仕種が、どうしようもなく、

ああ、なんて愛おしい。


(別に好きで苛めている訳じゃない。本当ですよ?)


110410

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