「ふわぁぁぁ」 

崇晴は肘をつき欠伸をひとつして、目をこする。

 ここは日当たりのいい窓際の席、そして一番後ろ。授業は一番眠くなる5時間目の社会。これは寝ろといっている様なものだろう。

  ほら、さっきまで俺の目の前で頑張っていた隆史が夢の世界へ(リタイア)。

  もうこれで、夢の世界へ旅立って言ったのは何人目だろう。2,4,6,10……12人。これは新記録じゃないだろうか?

 もうすぐ定年退職だろうと思われる社会の先生は1人で喋っている。
 幸せなやつだ。……いや、うちのクラスの真面目さんたち、6人が頑張ってくれている。

 他のやつは起きていても授業なんか全く聞いていない。
 ほら、あそこの女子とかめっちゃ話してんじゃん。まぁ、俺も人のこと言えねぇけど?

 俺の分も頑張ってくれたまえ。と心の中で頑張る6人にささやかながら声援を送った。
 

 あー、さっきまで頑張っていたけどもう無理そうだ。

 大体なんで内閣だとか、世界大戦だとかやらなくちゃいけないのだろう?そんなの政治家志望のやつらに任せておけばいいじゃないか。あぁ、原敬と犬養毅は好きだったけどな。名前的に。なんてそんなことはどうでもいいや。 いやー昼休みのサッカー、あれ張り切りすぎた。汗でぬれたシャツは気持ちが悪くてしょうがない。

 あっまた1人が旅立った。これで13人……。誰かギネス呼ぼうぜー。

 ほんと、それにしても暇だ。そう、暇だ。何の代わりもない毎日。中学に入ってもやっぱり代わりがない。何度も巻き戻し、再生を繰り返しているような毎日。退屈だ。

 ……いや、決して今の毎日に満足していないわけでもない。そう、今の毎日だって楽しい事は楽しい。ただ…たまにはちょっと違うことが起きてもいいんじゃないだろうか?

 まぁ中学に入ったら告白されるかもと言う期待も崩れ去っていくのは早かった。やっぱり理想と現実は違うんだな。うん。俺はもうドラマなんか信じねぇぞ。

 ……あ、授業進んでる。やべーわかんねぇ……。なんだよ、冷戦って……。新しい核兵器を使ったのか?爆発したら町が一発で凍るみたいな。

 あーもう無理だー。授業はあきらめよう。うん。いつか三坂にでも聞こっと。あいつ社会を愛してるからな。珍しいやつだ。よーし、社会は三坂に任そう。うん、ほらやっぱりあいつ目が輝いているもんな。一番前の席で授業中なかなか、目は輝かないぞ、やっぱり真面目なやつだ。俺の分まで頑張っておくれ三坂。俺の期末の点数はお前にかかっている。


 ……世界は回ってるんだよな。いや、そんなね、そう俺アホじゃないから。地球が回ってるぐらい知ってるから。

 ただ、俺が死んでも何事もなかったかのように世界は回り続けるんだなぁ。俺一人の存在ぐらい別にどうって事ないもんな……。誰か悲しんでくれるのかな?あー俺って結構孤独なのか?

 あー、ほんとマジで俺が一週間休んだってこのクラスは今までどおりに普通に成り立つし、俺が死んだって、成り立つな。俺意味ねぇな・・・。

 ……いや、友達は悲しんでくれるよな…。うん、両親も悲しんでくれないかなぁ、せめて親戚ぐらいまで。

 うーん……やっぱ何にもなくていいや。よくある本みたいに何か世界を救うために!とかあったって、俺無理だしな。一発で死ぬわ。えっこいつに!?見たいな雑魚キャラで即死だわ。あー俺にはヒーローなんて無理無理!そんなんで死の恐怖なんて味わいたくてねえわ。俺はそっちを読むほうが全然いけるわ。って読書大ッッ嫌いだけど。

 うん、そう思うと、今のこの平凡な毎日だって悪くない。むしろ、このままでいい。さぁて、そう思うと勉強しなくちゃだな。……おい、なんだよ、国際連合って、国際連盟と何が違うんだよ。

やっぱ俺には無理だ。俺も旅立とうと思います。あっ誰かギネス宜しく。では…5…4・・3・2・zzz…back

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