「やっと着いたか……」


「ししっ、おこちゃま達ごくろーさま♪」


空港に着いてからベルとマーモンの案内でXANXUS達と合流したスクアーロと雲雀、未だに眠ったままの綱吉
そこはミラノの外れにある屋敷の前だった


「ベル、からかうものじゃないよ。これは僕たちの立場にも関わるんだから」


「ちぇー、つれねーの。で、沢田の状態どーなんだよ、カス鮫」


「うるせぇぞ、ガキぃ。……見た限りだと幸い死には至らねぇが、最悪の場合体が動かなかったりするだろうなぁ
神経まで刀や銃弾がいってたら終わりだぁ」


「で、なに、この屋敷」


「沢田さん!雲雀さん!」


「アルコバレーノ達…?」


ユニとアルコバレーノが屋敷の中から出てくると綱吉と雲雀へと駆け寄る。敵か味方かわからない状況下で警戒をしていた雲雀にユニが幼い頃に使っていた屋敷だということ、自分たちは味方だと伝えると雲雀は少し警戒心を緩めた


「話はバイパーから聞かせてもらったぜ、コラ!」


「マーモンだって言ってるだろ、チビ」


「なんだと!コラ!」


「やるのかい」


「そこらへんにしておきなさい、二人とも
XANXUS、待っていましたよ。部屋の方は用意しました。医者も既に呼んでいます」


「おい、スクアーロ。医者に見せてこい
てめぇが診せてる間俺はこいつから話を聞く」


【いや、雲の小僧も診てもらえ。庇っていた時の傷だけでなく、彼女がいないときも隙を見た者たちから攻撃を受けていたのだからな
俺から見た全てを話してやろう】


雲雀が答えようとする前に声と炎が二人の間に現れ、中から初代ボンゴレボスであるジョットが現れた


「……いいだろう」


【恩にきるぞ、XANXUS】


「ボス〜私達も立ち会うべきかしら?」


「ああ。てめぇらも立ち会え」


「僕はスクアーロのところに行ってくるよ。まだヴァリアーの現状も話してないしね」


マーモンが屋敷に入るのを一瞥してXANXUSは視線をジョットへと向けた。早く言えと言わんばかりに赤い目をぎらつかせながら


【事は1ヶ月前に遡る。X世のクラスに新任の教師だと称した女がやってきたのだ
その女が薬を使い、次々とあの地を侵食し始めたのだ。家庭訪問と称してはX世の両親や居候の者たちをも蝕み、自分の子を虐待させ、挙句には自分の子だとも認識しなくなった
そこから女の計画、ボンゴレの権力を奪うという計画が始動し、あの女が虚偽を言っても操られた者からすればそれが真実だ
徐々に周りを従わせてはX世を孤立させ始めた。X世の本来の性別も知らぬままにな
アルコバレーノは薬を使われてはいないものの周りが万場一致でX世を貶めようとする光景に真相も見失い周りに流され銃弾を放ち、そこから集団でのリンチだ
しかも雲の小僧が彼女を庇ったことでよしと思わなかったのだろう。そこからは二人を孤立させることに躍起になったのだ
そこにスクアーロがこなければ雲の小僧共々死んでいただろう、感謝する】


「なるほどな。あの女はボンゴレを乗っ取ることが目的か」


「ボス、その女をご存知なのですか」


「……あの老いぼれの秘書をやっているからな、何度か見たことがある」


【ボンゴレの不穏分子とも言える女だが、よほど狡猾な人間なのか、よほどの馬鹿なのかは知りたくもないがボンゴレにつきまとっている】


「……一つ聞く。ボンゴレを壊していいのか?」


「「「!!!」」」


【……構わん。元は自警団として発足させたボンゴレだが、肥大化してその力を欲する者も増えた
このまま更に肥大化をしても争いの種を生むだけだ。…ボンゴレは壊しても構わぬ
X世が望まぬボンゴレならばここで壊してしまうべきものだ。X世なら新たなボンゴレを創ってもらえると思ったんだが枷になってしまうくらいなら、壊す方がいいだろう】


覚悟を決めたかのように真っ直ぐとオレンジの眼がXANXUSを見据えて自身の想いを告げた
その言葉を待っていたかのようにXANXUSは口角を上げる


「ならばボンゴレを壊してやる。俺の理想のボンゴレにならねぇなら必要ねぇ」


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