いいえ、文化祭企画に追われる月です
「梅雨かー…」
おはようございます、こんにちは、こんばんは。沢田綱吉です
ただいま梅雨真っ只中。こう毎日雨だと外に出るわけでも無いくせに気分がすごい沈む
「だからって、何で応接室に来るわけ?」
「アルコバレーノやキャンキャン煩い犬はどうしたんです?」
「リボーンと獄寺君は今イタリアに戻ってるし、山本はミーティングなんだってさ」
「つまりは暇、と」
「そうとも言う〜」
骸と雲雀さんはただいま職務中。へぇ、骸の眼鏡中々いいなぁ
ちなみにクロームは文化祭実行委員長でただいま会議中
「骸は生徒会の雑用してるから構わないけど君は別。ここは暇つぶしの場所じゃないよ。ってかさっきから何を見てるの」
「ウェディング特集だってさ」
「ウェディング、ですか?ああ、そういえば六月ですね」
「この前祝ってやったのに六月ってのを忘れるとか骸、記憶力衰えてるんじゃないの?」
「失敬な!衰えてませんよ!!
で、ジューンブライドですよね。クラスの女子か誰かが持ってきたんですか?」
席から立ち上がりオレの見ていたカタログを覗きながら骸が聞いてきた
「うん。京子ちゃんが持ってきてて、どれがオレの好みか聞かれたんだよ」
「ほう…。笹川京子は君に選んで欲しい、と」
「いや、京子ちゃんの親戚が結婚式やるらしいんだけど、そのドレス決めに奮闘してるらしいよ」
「しかし最近は色々なデザインのウェディングドレスがあるんですねぇ…」
「結婚式は白無垢でしょ」
今まで黙っていた雲雀さんが口を開いた。あ、やっぱり和式なんだ
雲雀さんってやっぱ和の方が合うよなぁ……
「いえ、ウェディングドレスです!」
「クロームはどっちの方が似合うんだろ」
「!クロームは絶対ウェディングドレスのが似合いますよ!
「いや、やっぱり白無垢だね。白無垢のあの清楚な感じがクロームには合ってる」
「いえ、ウェディングドレスの方がクロームの華やかさを際立てますよ!!」
「白無垢だね!」
「ウェディングドレスです!!」
このやり取りが始まって約30分。その討論を終わらせるかのように応接室の扉が開いた
ガチャ
「……何の話をしてるの?」
「あ、クローム。クロームはさ、どのドレスがいいと思う?京子ちゃんに相談されたんだけど、やっぱ異性より同性の方がいいと思って」
「……白無垢もウェディングドレスも…今は素敵なものがおおいけど、やっぱり相手の人に合わせたい…相手が洋式を好むなら、ドレスで和式だと白無垢……
このカタログから選ぶなら、コレかコレが私は好き…」
マーメイドドレスと
を指差しながらクロームは照れたように笑う。あ、やっぱ可愛いな…京子ちゃんとは違う笑顔のよさがあるよね
「ありがとう!参考にするよ」
「ううん…。あ、骸様、雲の人……頼んでいた資料なんですが…」
「「あ…………」」
クロームの一言に固まった二人。顔を見合わせると冷や汗が流れ落ちるのが遠目でもわかる
「(二人とも、途中からドレスか白無垢かの討論になってたからなぁ)」
「……早くしてください。文化祭実行委員長権限です」
「「…………はい」」
いつもの光景だなあ。うん、やっぱ女の子は強いや
クロームと一緒にお茶を仕切り直しして二人がせっせと働く姿を眺めることにしよ
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