「え、もう終わりですか?」


キョトンとする竜ヶ峰帝人


「ちぇっ、臨也さんを楽しませれなかったってことだな。最悪」


口を尖らせる紀田正臣


「……もっと斬らせてください。愛させてください」


日本刀を構えて鈍く赤い瞳を輝かせる園原杏里


「おい、臨也……、お前を嵌めようとした、この女…壊していいよなぁ?
いや、お前を壊してもいいぜ?」


ポキポキと手を鳴らすシズちゃんこと平和島静雄


「シズちゃん……それは遠慮するよ。俺だってまだ死にたくないしね」


「君の体を解してどっかの裏企業に売り捌いてあげようかな
その伝は結構あるし」


メスを片手に恍惚の笑みを浮かべる岸谷新羅
医者の言う言葉じゃないというのはあえて突っ込まない


「エグいこと言わないでよ、新羅。…想像したじゃない」


「臨也も味わう?あ、でも売りさばくんじゃなくて、僕が永久保存してあげる」


「おい、新羅。臨也を解したら俺に寄越せ」


「僕にもください。あ、頭とか腕を希望します」


「帝人だけズルいぜ!俺だって臨也さんの足とか指が欲しいって!」


「では私は残りを全て。内臓はみんなで食べますか?」


「(なに、こいつら……っ、怖い怖い怖い)」


「(クスッ)これが俺達の日常。だから別にみんなに傷つけられてもそれは愛情。でもおかげで、滑稽な君の姿を見せてもらえたよ


それなりに楽しかったよ。でも単調すぎて飽きちゃったから、飽きた玩具は壊すべきだよねぇ?」


腰を抜かしている坂木愛莉へと目線を合わせて笑えば彼女は気絶してしまう


「もう気を失っちゃった?みんな、壊してもいいよ」


歓喜の表情に満ちた目の前の面子。魔女狩り、と称したこの滑稽な劇はこうやって幕を下ろすんだ


この傷口にすら依存して

人間という存在に依存し

人間の住む世界へと依存し


この街の狂った愛情に依存しているこの俺も十分狂ってると誰も気づかない



(狂った世界で普通なんて求めるのは可笑しな話だよね)
(狂った奴に付き合えるのは狂った奴だけでしょ?)

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