「ねぇ、クレアのお兄さん。和奏のおにーちゃんはー?」 「ん?和奏か? ……心優、お前が抱えてるのが和奏だ」 「えっ!?これ、猫さんだよ!」 「ミャー」 真っ黒の猫を突きだしながら心優は言うとクレアは頷いた 「和奏は猫が本来の姿なんだよ。ちょっと話してやるか……心優も10歳になったしな」 「この猫さんが、和奏のおにーちゃん…?」 「そうだ。お前の両親が裏切られたのは前に話しただろ?」 「うん、ぼんごれってところから追い出されちゃったんでしょ?」 「あぁ、そのボンゴレの地下に閉じ込められる前に、アラウディは街で弱った黒の捨て猫を見かけて自分の仮住まいに連れて帰った」 絵本を読み聞かせるようにクレアは話し始める 「かりずまいって?」 「かりずまい【仮住い・仮住居】 一時しのぎに、仮にすむこと。[類]仮寓。学研モバイル辞書より引用 つまり、自分の家とは別の場所に連れて帰ったんだ。そこで猫は徐々に回復して3週間後には元気になるが、アラウディになつきそのまま大体の行動を共にしていた。もちろん極秘任務等は初代キャバッローネに預けたり、好き勝手にさせていたが…… ちなみにアラウディが嫌われてもそのまま側にいた。最期を看取ったのも猫……和奏だけだった」 「じゃあ、パパの友達?」 「友達、か。そんなとこだな…… 俺はずっとアラウディの側でいた和奏を見て姿をやった それが普段心優が見ていた和奏の姿だ」 「ママとも友達?」 「そうだな。恭は今の心優と同じくらいの年齢で猫として歩いていた和奏が轢かれそうになったことがあって、そんときに助けたんだ だから和奏にとっては二人とも、救世主なんだよ」 「メシア?」 「メシアってのは救世主、つまり命の恩人ってわけだ。分かったか?」 「うん!ありがとー!和奏のおにーちゃん、一緒に遊ぼうー」 「ミャー!」 . ×
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