「ここは一体……」


とある空間にいるのは羽音と六道骸、クローム髑髏の3人だった


「小さくないなら私の出番ですね。さぁて……どうしてやりましょうか
そうそう、ここは我が主人であるクレア様によって創られた空間です
暴れても外の世界には影響が出ません」


「どうして僕達が閉じ込められなければならないのです?」


「クレア様を怒らせたのですから当然の仕打ちです
心優様も本能で察したのでしょう。あなた方が自分の母親と父親を裏切った者達であるのを
無様滑稽この上ありませんね」


「クフフ……つまり、貴方はあの雲雀恭弥を信じていると
可哀想な思考回路ですね」


「私達が裏切ったんじゃない……雲の人が裏切ったの……!」


「ふむ……遺言はそれだけですか?
では、始めましょう


──悲劇を嘲笑う、私の演奏会を」



羽音は指を滑らせて指揮棒を振るかのような動作をする


「……まずはIntroduction」


「「────!?」」


「この程度で動けないんですか?本当に術師なんでしょうか……」


「何をした……!」


「ただ、Introductionの部分を振っただけですよ
まぁ……これから嫌でもその体で味わうことになりますが
手始めにAllegroのテンポで行きましょうか」


羽音は指揮棒を振るスピードを少し速めていく


「……っ、クローム、聞いてはいけません!」


「嫌……っ、いやぁぁぁあぁぁぁぁ!!!」


クロームは三叉槍を落とすと頭を抱えて悲鳴をあげ始めた


「やはり……トラウマを持っていると奏でやすいですね、恐怖の旋律は
次は──Graveで行きましょうか」


「……、う……ぁ……!」


今までの速さから一転してゆっくりと振り始めると骸の脳裏に蘇るのはかつて捕らえられていたエストラーネオの記憶
そして二人の意識は途切れた





「……終わってしまいましたか。精神さえ壊れてしまえばあとは簡単ですね」





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