8年後──……

クレアトーレの屋敷は賑やかになっていた



「パパー!」


「心優、どうしたんだい?」


「あのね、ママが一緒に買い物に行こうって!クレアのお兄さんも一緒に行くみたいだよっ」


「珍しいね。心優は何か欲しいもの、あるの?」


読書の手を止めてアラウディは心優を肩車してから聞くと心優が1つ強く頷いた


「心優ね、おっきい熊のぬいぐるみが欲しい!」


「オモチャ屋?」


「デパートだって!クレアのお兄さんが心優の服も買ってくれるのー
あ、羽音さんや零弥さん、彩夏さんや舞花さん、結香さんも行くって言ってたよ?」


「随分と大人数だね
(何かあるのか……?)」


「パパ、おそーい」


「あ、言ったね。目を回しても知らないから」


ムスッと頬を膨らませた心優にアラウディは不敵に笑ってから少し足を早めた



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