「うわぁ……!」


「これからここが恭の部屋だよ。分からないことがあれば隣に僕の部屋があるからおいで」


「この部屋、僕の……?」


「うん。自由に使えばいい
何か欲しいものはある?」


「うーん……あ、便箋が欲しい!」


「便箋?」


「うん。炎真達に、僕が無事ってことを伝えたいから……だめ、かな……」


「シモンは今でも変わらない、か。いいよ
持ってくるから少しだけ待ってて。あ、その間にそこに服があるから着ておいてね
そのままってわけにはいかないからね」


「ありがとう、アラウ!」


「どういたしまして」


雲雀を置いてアラウディは自分の部屋に入り引き出しを引くと中に入っていたのは便箋と写真、封筒。その中から写真を取り出してベランダに向かい、ポケットに入れているライターを取り出すと火を点けた


「……さよなら、大好きだった人。もう貴方は必要ない──……」


灰になっていく写真を風に飛ばしてライターをしまい便箋を取り出すと雲雀の部屋へと戻る


「恭、入っていいかい?」


「うん、入って」


「じゃ……。!」


「やっぱり……変、かな……?」


「いや……そうじゃなくて、その……似合ってるよ」


少し雲雀から顔を反らしながらアラウディは答えると雲雀は、はにかんだ


「よかった……」


「恭、髪を切り揃えようか。長さがバラバラだから」


「いいの……?」


「うん。遠慮なんてしなくていいよ」


「じゃあ、お願い」


長さがバラバラだった雲雀の髪を器用にアラウディは切っていく


「こんなものかな……。あ、これ便箋
これぐらいしか無かったけどいい?」


「うん。ねぇ……アラウ、側にいて……一人は嫌
アラウと一緒だと、なぜか安心できるの……炎真達も安心できるけど……何か違うくて」


「……いいよ。今日は一緒に寝ようか
もう疲れただろう?早く書いてお風呂に入っておいで」


「!うん……、早く書いて送らなきゃ」


雲雀はペンを持って便箋に文章を書き始めた
数分後に書き終えると封筒に入れてアラウディに渡してからシャワーを浴びてベッドに沈む




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