「ボンゴレの地下と言ったら、ここしか無い……
まさか、またここに来るなんてね」


アラウディは地下牢への階段を降りながら蝋燭を片手に自虐的にそう呟いた


「……誰」


「君が、雲雀恭かい?」


「そう、だけど……」


「(嗚呼……本当に僕と同じだ)
僕はアラウディ。昔、君と同じように僕は地下牢に閉じ込められたことがある
恋人には裏切られ、その恋人をある女に横取りされて、生きる希望なんてなかった。今じゃ人を信じられない程までにね」


「……、アラウディは……今は外にいるの?」


「今はね。生きるべき存在じゃないからあまり出歩かないけど」


「じゃあ……。!時間だ……っ、か、帰って……!」


目を見開いて雲雀が震えながら必死に口を開くと少しずつ近づく多くの足音がアラウディの耳に届いた


「……分かった。また来るよ、雲雀恭
(秘密通路が確か階段の足元にあったな……)」


頭を数回撫でてからアラウディは今のボンゴレは知らないであろう通路を使いその場を足早に去っていった




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