「……退屈」 「ふん、今に始まったことじゃないだろう」 そんな会話が繰り返されること十数回 ホテルの一室のようなリビングでプラチナブランドの髪色に不機嫌そうな青年に紅茶を飲み干しながら、からかうように笑う銀髪の青年が対峙している 「クレア様、アラウディ様。お食事の用意ができました」 「イタリアンじゃないならもらうよ」 「ご安心を。本日はフレンチにしております」 「ホントにイタリアン嫌いだな、お前 まぁ、無理も無いがな。あんな落ちこぼれ共に同情するカケラもねぇ」 「あっそ。人を勝手に転生させておいてよく言えるね」 「それが俺だからな ところで、食い終わったらボンゴレの地下牢に行ってこい」 「嫌だね。誰があんなところに行くものか」 「まぁまぁ、話くらい聞け。そこにお前と同じ…いや、それ以上の仕打ちを受けてる奴がいる そいつと会って、話し相手になってやれ」 「……僕と同じ?詳しく聞かせなよ」 クレアの話にアラウディは食い付き紅茶を飲む手を止めてソーサーにカップを置いた 「あぁ。名前は雲雀恭弥……本名は雲雀恭 男装をしていたがミリアス=ディベートに危害を加えたと濡れ衣を着せられた上に女性だとバレてからは地下牢に監禁され、性的屈辱も受けるようなっている キャバッローネの若僧と恋人関係だったがディベートの阿呆によって決別し、生きる望みを喪失しかけている。元々、外の世界にあまり触れる機会が無かった為に知らないらしい」 「ちょっと待ちなよ。聞き覚えがある名前ばかり出てきたんだけど 何であんな男の名前や僕から何もかもを奪った女の名前が出てくるわけ、説明しなよ」 「そう急かすな、今から説明する キャバッローネの若僧はお前も嫌と言うほど知ってるアイツの子孫だ。ディベートも然り どうだ、興味を持ったか?」 「…………夕食はいらないから」 少し間をあけてから、それだけを言い残しアラウディはその場所から立ち去った アラウディの去った部屋でグラスを傾けながらクレアは口角を上げた 「さぁ、どうなるだろうな……これから」 . ×
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