Short Story::佐々木と部下
「佐々木さあん」
「なんですか」
「私より先に死んだら、ぶっ殺しますからね」
「ご心配には及びませんよ」
「はい?」
「だって、貴方が私を護るんでしょ」
「……簡単に言ってくれますね」
「無理なんですか」
「っ、できます、できますよ、ああもう!」
それが、それだけが、私たちの約束。
2012/05/07 02:22
::林田先生と生徒(三月)
「先生なら分かるでしょう、私には勉強より大切なものがあるんです!」
「いや、それはまあ、」
「だから帰らせて先生!お願い!」
「でも単位が、」
「先生はいつからそんなつまんない大人になっちゃったんですかー!」
「(ええー!)」
後で課題を出すならという条件で帰ることを許可しちまったオレは駄目教師だろうか。…駄目ですよね。
「あっ島田八段どんなだったか、後で絶対教えてくれよー!」
「もち!」
「いやそっちのが問題でしょう!」
「うおっ桐山いつからそこに!」
2012/03/19 14:28
::佐々木さんと部下(銀侍)
「チートじゃないかと思うんです」
「はあ」
「だって太股撃たれて肩撃たれて爆発の衝撃波受けて吹っ飛んだあげく背中切られたのに立ち上がってあろうことか牙突みたいなの繰り出すなんて!局長壁に突き刺すなんて!気力云々の話じゃないですよ物理的に不可能ですオーバーキルです!」
「物理的に不可能だから気力の話になるんじゃないですか?」
「…ちょっと局長貴方どっちの味方ですか!」
「どちらでもありませんよ」
何を躍起になってるんです、と呆れて問えば、だって局長が怪我するなんて、と彼女は手のひらで顔を覆った。指の隙間から低い声が聞こえる。
「あのマヨラー次会ったらただじゃすまさん」
「…程々にしておきなさいよ」
ちょっと不意打ちだった。
2012/02/22 12:15
::佐々木さんとメール(銀侍)
「佐々木さんほらこれ見て下さいよ上から下まで全部あなたからのメールです!他の人からの消えちゃったじゃないですか!」
「ああ、それは失礼しました。なにぶん心配性なもので」
心配内容は、ええ、もちろんアナタに悪い虫が付かないか、ということですよ。
2012/02/12 01:36
::天照と少女(大神)
「おて。おかわり。ふせ。おすわり。待て」
「……わん」
「なにこの子かしこい!すっとぼけた顔してるくせに!もふもふしていいですか!」
「……(こくり)」
「もふもふ!もふもふもふ!」
まさか知らなかったんです。あれが天照大御神様だったなんて。……またもふもふしたいなあ。暖かかったなあ。
2012/02/10 01:19
::的場さんと友人もどき(夏目)
「ナツメタカシくん。的場と友人かって聞いたらすごく怯えた顔で、冗談言わないでくれ!って言ってたわよ」
「ああ、確かめに行ったんですか、わざわざ。貴方、余程私のことが好きなんですね」
「ば!ちがっ!〜〜っんなわけないでしょ!」
おやおや。
2012/02/08 01:10
::島田さんと自己嫌悪(三月)
「なあ」
「うん?」
「ちょっと、ぎゅってしてくれない?胃が痛くてな」
「あはは、人肌効果?いいよー」
「ん、悪いな」
「ぎゅー」
「もうちょっと強く」
「このくらい?」
「まだまだ」
「折れちゃうよ」
「はは、」
折っていいよ、とは、さすがに言えなかった。
2012/02/05 18:43
::青雉さんと季節と温度(海賊)
「わっしのことは思い出さないのか〜〜い?」
「え、あ、えっと。朝日がまぶしいと思い出します!」
「そりゃァ嬉しいねェ〜〜」
「……なにそのドヤ顔」
「ちっと面貸さんかい、黄猿」
「男の嫉妬は醜いよォ〜〜?」
愛想でもさ、毎日だなんて腹が立つの。
2012/02/04 07:19
::青雉さんと季節(海賊)
「冬は青雉さんのこと思い出すんです」
「え」
「で、夏は赤犬さんを思い出すんです」
「ああ……」
「なんですかそのつまらなそうな顔は」
だってさァ。
2012/02/03 11:53
::的場さんと友人(夏目)
「的場ってさあ、友人、いないでしょう」
「何です?藪から棒に」
「いないでしょう」
「いますよ。ひとりくらい」
「名前言ってみてよじゃあ」
「夏目貴史くんといいます」
「……それ本当に友人?」
「ええ」
「…………」
「不服そうですね」
「べっつにい?」
言ってあげませんよ、貴方の名前は。
2012/02/02 06:48
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