「さ、さむいねー」

「そっ、そうだね、もう春も近いのにねえ」

「ねー」

「…」

「…」

(うわぁぁぁぁぁあ!不自然すぎるオレ!言うって決めたじゃん!昨日言うって決めたじゃん!!)

(うわあああ!昨日言うって決めたのに!緊張しすぎてなんかぎこちない返事になっちゃったよ…栄口君、変に思ってないかなぁ…?)

「…あっ、あのさ!」

「う、うん!?」

「あの…あの!手!がさ」

「手!?」

「手っ…も、冷たくなるよね、ホラ、寒いからさ…」

「あっ…そ、そうだね」

(オレのバカー!!寒いって言うの何度目だよ!違うだろ!もっと他に言うことあるだろ!)

(私のバカー!!「そうだね」じゃなくて、もっと言うべきことがあるでしょ、私には!せっかくのチャンスだったのに…!)


((よ、よし、今度こそ…!))


「“手ぇつなぎませんかー”だろ、さっさと言えよ」

――チリンチリン

「「………!!!!?」」

「手なんて幼稚園生でも繋いでんぞ」

「ガンバ、レ!」

「チューは!?チューは!?」

「キスはまだ早いよ、田島」

「手ぇつなぐだけでコレだもんなー」

「ヘタレ口」

「んじゃ、お先に〜」

――チリンチリン…


「「………!!!!」」


「い、いつっ、いつから見て…っ!」

「先に帰ってるって行ったのに…!」

「……」

「……」

「……篠、岡っ!」

「う、はい!」

「手…手を!繋ぎませんかっ」

「…はい、喜んで」


繋がれた2人の手は、相手に与える体温などないまでに冷たかったのは言うまでもない。






あまりのじれったさに陰ながら(後ろから)見ていたらーぜたちも我慢できなくなったようです。
ちなみに上から阿部、巣山、三橋、田島、西広、花井、泉、水谷です。つまり阿部が最初にじれたと…。
リクありがとうございました!



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