「神楽ちゃん!そんなとこで寝てたら風邪ひくってば!」

「ん〜…あと5分〜…」

「もー…じゃあちょっと待って。毛布持ってくるから」

「やーだー…新八がいれば暖かいからいらないアル」

「うぁっ!もうこれじゃ動けないじゃん僕…」

「ずっとここにいれば良いネ。放してなんかやらな…アル…」

「?神楽ちゃん?」

「スー…」

「寝ちゃった、か」

「新八ー!爪きり何処やったっけって…お?なんだ、神楽寝てんのか?」

「はい。こんなところで寝ちゃって…僕も今身動きとれないんで銀さん毛布持ってきてもらえます?」

「は?」

「いや、は?じゃなくて毛布…」

「ばっきゃろー!!」

「ぐふぅっ!」

「お前は馬鹿ですか?馬鹿ですか!?何を悠長に『毛布を』とか言ってんの?馬鹿なの?銀さん、お前らの父親として嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだわ!」

「意味わかんないんですけど!そしていつから銀さんが僕らの父親になったんですか!」

「はぁ…ホント馬鹿」

「暴言!」

「銀さんはね、お前らが清い交際をしてくれたら…とは思っていたが、ここまで清いと逆に俺の心が汚れてるように感じるわ!なに、銀さんが悪いの?ごめんね!?」

「何で僕謝られてるんですか!?てゆーか、早く毛布持ってきてくださいって言ってんでしょ!」

「ったく…へいへい」


(別に全く下心がないわけじゃないんだ)

(でも、それ以上に大切にしたいんだ。僕が持てる全ての優しさを注ぎ込んでも足りないくらい甘やかしたい)

(神楽ちゃんが)


「…………大好きだから」


そう呟いて、僕は神楽ちゃんの額に静かに唇を寄せた。





ヘタレの皮をかぶった紳士に見せかけたヘタレ。(笑)
リクありがとうございました!^^

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