本場のインティ・ライミで候



お盆も終わり、立秋も過ぎましたがアグレッシブに暑い日々ですね。
お久しゅう御座います田中です。
ご挨拶は残暑ですが、こうも暑さが続くと残りどころかまだ真っ盛りという感じが致します。
でもアパレルは秋色がちらついてますね。あれは陰暦で活動してる気がする。



博物館にドナドナされて来たのでレポにもならない覚書を記したいと思います。
今日はマチュピチュ発見100年を記念したインカ帝国展に行ってきました。

いつもこういった展示では音声ガイドを借ります。
内容はプラスアルファ程度ですが借りないと落ち着かないので借りてしまいます。
久々に行ったらタッチペン式になって驚きました。渡されたパンフかざすと喋るよ!昔のカラオケのリモコンみたいな奴じゃない!どうした!
何気にハイテクを行く博物館に戦きつついざインカ帝国展へ。

初めは帝国の始まりや本質について。
インカ帝国は同じ帝国と呼ばれる西洋諸国のように文字がありません。運搬に必要な車輪も武器となる鉄器もありません。
スペイン人が侵攻してきた16世紀以前は明文化された文化がないので謎が多いのです。
しかし文字はなくとも衣服や織物、儀礼的な装飾品など形で垣間見ることができます。

彼らは太陽信仰や宇宙的思想を持ち合わせていました。
王様がおでこにつけてる丸い奴とか、棍棒上部が星形だったりとかね。
信仰を現すものは二つで一つのもの、つまり対になるものに神聖性を見出だしていたようです。
杯や像は一対が基本で豊穣や治水などを祈願する儀式に用いられたとされるものが展示されていました。

一方で権力を示す為にインカ帝国から被支配者へふんだんな富や財と共に対の片割れが贈られることもありました。
しかしこの片割れこの場合は杯ですが、絵柄がエグいです。
生首に斬られた手足。
つまり「服従すれば一緒に贈った財宝より豊かにしてやるけど、裏切ったら覚えとけよ」というメッセージつきなわけです。
そんな言付け模様の杯も展示されてましたよ。

あとこの贈り物は権力誇示の他に、これは互恵制度という受け取り拒否不可・受け取った側は贈られたものより上等あるいは最高品を贈り返さねばならない的な考えに基づいて贈られているので、お返しはまあ服従しかないわけですよ。
同等のものはアウトなので尚更です。
見ようによっては押し売りじゃね?と思うんですが、互恵制度。

あとやっぱりかなり負担になったこともあるみたいです。
最もたるところが生け贄でしょうね。
神様にお願いするなら最高品あげなきゃね!→ならとっておき可愛い子やんよ→生贄ファー!みたいな。いや、すみません。
これ叶ったら叶ったでお礼もせねばならないと。つまりは、ね。
贈り贈られの精神はいいのですがハードル上げすぎだろインカ人。

インカはこの互恵制度やミトマクと呼ばれる人口移動制度での治世で発展していきます。
ミトマクは職人や農民など被支配地域の住民を環境の違う各所へ移住させるものです。
見知らぬ土地に村丸ごと住人を長期滞在もざらで、千人単位の移動もよくあったそうです。
蝦夷開拓みたいなもんかな?と思ったんですが、こちらは強制的な部署変え人事異動なのでちょっと違うかも。
この移動のお陰で四万キロにも及ぶ街道インカ道ができたんでしょうか。

アンデス山脈を含むのでインカは高地ばかりだと思っていたのですが、領土拡大を重ねてアマゾンや海岸沿い、砂漠地域も網羅していたようです。一国でRPGできるくね?
詳しい統治制度が気になりますよこれ。
文化を取り込む一方で埋葬法が変わるほどぶっこんだ例もあるようですが。
今回展示のミイラさんはそんな変化の一端を表しています。

元々このミイラがあった地域では骨を布に巻いて埋葬する習慣だったそうですが、インカ帝国が侵略後はミイラを布に巻くようになったそうではす。ミイラはインカの習慣なので明らかに影響を与えています。

展示品のミイラは全五体。
大体若い身空で永眠しています。
一人眼球まで残っている少女がいました。
物憂げに見える佇まいはその乾燥した瞳がそう見せるのでしょうか。
目があるだけで考古学的な遺物から人に見えるのですから不思議です。

これらは忘れ去られていたから何とか残った遺物です。
スペイン侵略後はかなり装飾品を占めていた金の製造物はことごとく延べ棒へジョブチェンジされたのがいい例です。
あまりにスペイン人が延べ棒延べ棒と強奪するので「やつらは金を食べる」とまで言われていました。
常食と思われるくらいやってたのかよあんたら。

奪われる前の文明とはいかほどのものだったのでしょうか。
文字がないくらいであとは帝国を維持するだけの非常にシステマイズされていた制度や生活を垣間見えるだけに惜しいものです。

余談としてデザインが素敵なフリンジ付きのバッグがあったのですが、ことごとくコカ袋だったのでコカの葉の精製物を思い出す身としては複雑でした。色も可愛いんだけどなぁ…。



[日 常]
2013/08/17(土) 23:35:13
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